第十一話 池の怪その六
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もっとも水の妖怪はあからさまに恐ろしいものが多いがな」
日下部もそうした妖怪のことは知っていて言う。
「特に海坊主に船幽霊だ」
「あといくちって妖怪もいますね」
「物凄い大きさの」
「あの妖怪も出ると厄介だ」
船の上を通り過ぎるだけだがそれが何日にも及びしかもその身体から夥しい油を流しその流れ落ちる油で船を沈めてしまうのだ。
「悪気がないだけにな」
「それじゃないですよね、お池に出るのは」
「どう見ても大きいですから」
「あれは海にしか出ない」
日下部もこのことは保障する。
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