第十話 大学の博士その十
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「それは他の、スラブとかの吸血鬼でも同じじゃ」
「そうして残酷に血を吸うんですか」
「吸血鬼は」
「だからこそ恐ろしいのじゃよ」
ほぼ食人だからだ。
「実際の吸血鬼はな」
「ドラキュラ伯爵みたいなのじゃないんですね、実際の吸血鬼は」
「優雅じゃないんですね」
「優雅とは程遠い」
それが何故かも話す博士だった。
「そもそも死人がよからぬ事情で墓場から這い出て来たりするのじゃぞ」
「ええと、それって」
聖花はその話からあるものを思い出してそして言った。
「アンデットですよね」
「ゲームの言葉じゃな」
「死者のモンスターですよね」
「まさにその通りじゃ。吸血鬼は種類にもよるがアンデットじゃ」
多くの吸血鬼がそうだというのだ。
「キョンシーも然りな」
「勿論アンデットでない吸血鬼もいますよ」
ろく子に二人に話す。
「その首が飛ぶろくろ首もアンデットではないですし」
「それでも何か違うんですけれど」
「これまでのイメージと」
二人の吸血鬼のイメージはあくまでドラキュラ伯爵だった。しかしそれは所詮イメージであり実際は違うというのだ。
それで二人も首を捻って言うのだった。
「人を食べるんですね」
「襲い掛かって」
「血を吸いながら食ったりもする奴もおるのは言ったが」
博士はさらに話す。
「中国には吸血巨人というものもおる」
「何か名前聞いただけで危なそうよね」
「そうよね」
吸血という呼び名だけで充分だった。二人はすぐにそう察した。
「どんな怪物なのか」
「想像するだけで何か」
「九メートルはあってじゃ」
やはり巨人だった。その大きさだと。
「そして人の首をねじ切ってそこから血を吸うのじゃ」
「やっぱり怖いじゃないですか」
「絶対に近寄りたくないですね」
二人はそれを聞いてすぐにこう言った。
「この学校に出たら大変ですよ」
「出ないですよね」
「出たら洒落になってないから」
博士の周りにたむろしている妖怪達もそれは言う。
「それこそね」
「というか悪い妖怪がこの学園に出て来たら大変だよ」
「僕達だって襲われるし」
「取って食われたりとか血を吸われたりとか」
「そんなの絶対に嫌だから」
「勘弁して欲しいよ」
これが妖怪達の言葉だった。
「そういう妖怪って僕達のところにも来るから」
「それで襲い掛かって来るからね」
「まあこの学園には悪い妖怪来ないし」
「悪い妖怪ってのは淀んだ場所に集まるから」
「ここには来ないよ」
「淀んだ?」
ここで愛実はふと気付いたことがあった。それは。
「ってことはこの学園って」
「うん、そりゃ完全じゃないけれどね」
「淀んだ空気はかなり少ないよ」
「そうした気のはけがいいから」
「風水もしっ
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