第一章 無印編
第一話 『異世界。溶かされる心』
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、なのはちゃんがいなくなってくれたおかげで少し話しやすくなった。
「それで、本当の事を教えてくれませんか? 私は、本当はただ山で転がっていたわけではないんですよね? 今の会話でわかったんですがこれはただの疲労だけじゃないと思うんです」
「…それはどうしてだい?」
士郎さんが用心深い感じに聞いてくるので一か八か言ってみることにする。
外れていればごまかせば言いし、もし当たっていればそれこそ私も覚悟を決めなくてはいけない。
こんなことに使いたくないけれど、
「私が目覚めた時に桃子さんとなのはちゃんからはなにも感じなかったんですけど…士郎さん、恭也さん、美由希さんからはなにかをしようとする予備動作が常に感じられたからです。
まるでいつでも私に仕掛ける事ができるような微妙な雰囲気が…」
「「「!!」」」
「えっ…?」
桃子さんは本当に分かっていないみたいね。だとすれば黒は三人…。
「美由希…桃子を」
「うん…」
士郎さんの指示で美由希さんがとっさに桃子さんを部屋から逃がそうとしたけど、
今この部屋は私の―――イリヤの知識だけれど―――結界が張られているためそう簡単に抜け出せないだろう。
思ったとおり美由希さんがドアを開けようとしたが開かなくて焦っていた。
「…無駄ですよ。今この部屋には結界を張らせていただきました」
「「「「!?」」」」
これで私に対する警戒がより一層深まったけど、そろそろこの雰囲気も変えないと三人が持っている隠し刀に牙を向けられるかもしれない。
「…ふぅ、安心してください。別にどうこうしようとかは一切考えていません。ただ、なのはちゃんにはあまり聞かせたくない話でしたからちょうどよかったんです」
私は笑みを浮かべながらさっきまで放っていた睨みの圧力を解いた。
途端、四人とも深いため息をついて息を荒くしていた。
「すみません。手荒な真似をしてしまいまして…できれば話を聞いてくれませんか? そしたら私も話せる限りの事は話しますので」
「それじゃ、君は何者なのかな…?」
「答えてもいいですけど、先に先ほど本当は私がどういう状況だったか教えてくれませんか?」
さて、ここが正念場ね。
◆◇―――――――――◇◆
Side 高町士郎
さて、シホちゃんはなんらかの組織のものではないみたいだけどさっきの威圧感を出せるのだから相当修羅場を潜ってきたのだろう。
結界といったものも私達の理解の範疇外のものだったし…実質今も張られているようだけどね。
「答えてもいいですけど、先に本当は私がどういう状況だったか教えてくれませんか?」
やっぱりそう簡単に吐いてはくれないようだ。
これは正直に話した方がよさそうだな。
「本当は覚えて
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