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八条学園怪異譚
第九話 職員室前の鏡その一
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話したって噂もあるわ」
「えっ、それは嘘でしょ」
 愛実は聖花の今の言葉にはまさかという顔になり右目を顰めさせたうえでこう返した。
「幾ら何でも」
「けれど百二十歳なら」
「確かに。もう生まれてるわよね」
 日清戦争は一八九四年だ。確かに年数では合ってはいる。
「その頃には」
「そうでしょ?だからね」
「それでも。凄い話よね」
「勿論二度の世界大戦も生きてきた人として知ってるわ」
「前の戦争はまだわかるけれど」
 とはいっても第二次世界大戦もその身で語れる者は少なくなってきている。昭和は遠くになりにけりとなってしまっている。
「第一次世界大戦もなの」
「そうみたい。凄いでしょ」
「仙人か何かなの?」
 愛実は真剣そのものの顔で聖花に問うた。
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