第零章 始まり
プロローグ 『剣製(少女)は世界を越えて…』
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私を狙う魔術師との戦いで心身、そしてともに魔力も底をつきかけ、そして…
「くっ…ここまでか…」
埋葬機関や魔術協会から差し向けられた追っ手をなんとか倒したがいいがそれもここまで。
自身に解析をかけるまでもなく私の体はほぼ満身創痍…まだ四肢がついている事事態が奇跡のようなもの。
追っ手がこれ以上来ないのを確認後、私は暗い夜空を見上げた。
目に映った月と夜空は爺さんと見た時の光景と重なった。
同時に俺の片腕とも言っていいほどの存在であるセイバーと数年前にホムンクルス体故に短命でこの世の生を終えた姉、そして師匠である遠坂凛、後輩の桜…。
思い出せばきりが無いほどの人物の顔がまるで走馬灯のように記憶を駆け巡る。
「ハハッ…これが走馬灯というものか。しかし案外悪くは無い。セイバー、遠坂、イリヤ…私もアイツと同じ道を辿るかもしれない…。
だけど世界と契約だけは決してしなかった。それだけは褒めてもらえるだろうか?」
誰に問うでもなく独り言のように呟いたその一言。
だがまるで返されるかのように「ええ、そうね。それだけは褒めてあげるわ。衛宮くん」という自身の耳を疑うかのように懐かしい声が聞こえてきた。
とっさに警戒を強める、だがすでにこの体は死に体といっても過言ではない。
ただ声が聞こえた方に顔を向けることしか出来なかった。
だが、それだけで私の中で一気に緊張は解れた。
そこにいたのは最後に会ったときはまだ少女としての幼さが残っていたが、今では見違えるほどに大人の女性として成長した遠坂の姿があった。
「遠、坂…?」
「ええ。久しぶりね、衛宮くん。でもすっかりアーチャーと同じ姿になったわね」
「開口一番で嫌な事を言ってくれるな…。まぁそれはいい。それで遠坂がここにいるということは…」
「ええ。あなたを消しに来たわ」
遠坂は歯に衣も着せずに正直にそう言った。
だがそれは当然のことだと私は諦めて、「そうか」とだけ答えた。
しかし遠坂はなにか不満の表情をして、
「あなたはそれでいいの? 今回の襲撃もあなたのことをよく知っている私だからこそできた事なのよ?」
「なるほど…道理で私の行動が筒抜けだったのか、やっと理解した。だが私は別に恨もうとは思わない。遠坂だって上から命令されてしかたがないという判断だったのだろう?」
「はぁ…やっぱりばれていたか。でも最終的に判断したのは私よ。そこのところ分かっているわね?」
「…ああ。十分承知している。さすが私の師匠だと思うぞ」
そう私が言うと「呆れた…」という声が呟かれた。
そして数秒して遂に遠坂は先ほどまでの優雅な表情から一変して怒気溢れる表情になり同時に私の背中に冷や汗が大量に流れ出した。
血の流出よりそちらの方に意識が傾くとは、やはり
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