第3章 白き浮遊島(うきしま)
第27話 ティンダロスの猟犬
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……って言うか相変わらずの対応なんですけど。
さっと見渡してタバサの席をキュルケの隣の席が空いていたので、その席を彼女の位置と決める。
そして、その椅子を軽く後ろに引き、彼女が座り易いようにする俺。そう。最早習性となって仕舞ったセバスチャン技能の発動です。
その席に普段通り、自然な仕草で腰を下ろすタバサ。こう言う態度で居る時の彼女は、奉仕される側の人間で有った事を、簡単に想像させる雰囲気を纏っていますね。
その事が良い事なのか、悪い事なのかはさっぱり判らないのですが……。
もっとも、そんな事は、今はどうでも良い事ですか。それに、もし彼女と、彼女の母親を連れ出して隠遁生活に入ったとしても、無理に現在の生活のレベルを下げる必要は有りませんから。
俺が、彼女の傍らに控えている限りは。
タバサが自らの席に着いた事を確認した後、自らが席に着く前に、その場に居る人間の確認を。
既にかなり出来上がっている雰囲気のギーシュくんと、あまり呑んでいる様子のないワルド子爵。その隣にルイズ。そして、竜殺しのジョルジュくんが居て、最後にキュルケ。
……あれ?
「なぁ、ルイズ。才人はどうしたんや?」
食事の場に才人が出て来ていないって珍しいですね。
尚、食事に関して才人とタバサは双璧です。はっきり言って、ふたりともびっくりするぐらいに食べると言う事です。
流石に同じ現代日本人の才人が、何故、この世界の味付けで満足してこれだけ食べ続けられるのか、実はかなり疑問に感じていたのですが……。これは、才人に刻まれた使い魔のルーンにより与えられた肉体強化に原因が有るとは思っていましたけど、昨夜、彼に与えられた伝説の使い魔としての名前が判った事によって、すっきりとしました。
伝承で言われていますからね。ドワーフは大食らいだと。
ガンダールヴとは、散文のエッダの中に名前のみの記載の有るドヴェルグの事だったと記憶して居ります。
つまり、ドワーフとしての神話上の特性を得ている可能性が有ると言う事なのでしょう。才人くんに関しては。
その俺の問いに対して、ルイズが無言で上の方に視線を送った。
同時に、ワルド子爵が俺の方に、そのやや悪意の籠った視線を一瞬だけ向けたのですが、直ぐに在らぬ方に向けて仕舞いました。
……やれやれ。嫌われたモンですな。しかし、あの決闘の現場に俺を呼び出した段階で、俺が才人の側に付く事は気付いていたと思うのですが。
それとも、この子爵殿は俺が考えも無しに才人の助太刀のようなマネをする、とでも思ったのでしょうか。
そう考えながら、視線を夕食のテーブルに着く一同から、この場に居ない同胞に一瞬だけ向けて、そして再び地上に戻す俺。
それで
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