暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
第60話 =乱戦の乱入者=
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女に確認を取っているらしい。

「…そりゃいいんじゃないかしら…。少なくとも向こうはそのつもりだと思うけど…」

その言葉を聴いたキリトは背中の貧相な剣を抜きダラリと構える。そして右足を踏み込んだ瞬間、ズドンという音とともにキリとの姿は2人のサラマンダーの後ろにあった。そしてその2人が後ろを見た瞬間、片方のサラマンダーが紅い小さな炎と化した。

「いいな〜速くて」

SAO時代は筋力にほとんど振っていたせいでなかなかスピードは出せなかった俺なので少々キリトにあこがれる。

「ま、俺もそこそこなんだけどね」

ヴォルトの長所は確か地上での行動が早い、ということだ。そしてこの世界には敏捷値がないらしく俺でもかなりのスピードで
唖然としているサラマンダーの顎下に移動できた。

「臥龍空破!……なんつって」

この世界ではソードスキルが無い、というのはエギルからの話でわかっている。ソードスキルが無いってことは恐らくテイルズの技も失われているんだろう。だから今のはただの再現だ。でも、サラマンダーは打ち上げられてこれもまた小さな炎になって
中を漂っている。

「で、アンタも戦うか?」

「…やめとくよ。もうちょっとで魔法スキルが900なんだ。死亡罰則(デスペナ)が惜しい」

「正直な人だな。で、そちらのお姉さんは?」

キリトは短く笑うとそのポニテ少女に話しかける。

「あたしもいいわ。今度はきっちり勝つわよ」

「君ともタイマンでやるのは遠慮したいな」

サラマンダーのランス使いはそういい残して上空へと飛んでいった。そしてこの場からさらに小さな炎2つが消えると少女は剣を構えた。

「で、あたしはどうすればいいの?お礼を言えばいいの?逃げればいいの?それとも……戦う?」

「うーん…俺たちてきには、騎士が悪漢に囚われたお姫様をすくうって言う場面なんだけど……どうするキリト?」

「そうだな、涙ながらに抱きついてもらえばいいじゃないか?」

「ば、馬っ鹿じゃないの!!」

そういい、顔を真っ赤にしながら怒鳴ってくる。

「冗談だって」

ここまで本気にしてくれるという価値もあるってもんだ。

「そうですよ!!」

と、突然どこからかここにいる誰のでもない声が響いてきた。…面倒な予感がするのは気のせいだろうか…。

「あ、こら、でてくるなって」

キリトは思わず胸ポケットを押さえるがその隙間を器用に抜けて小さな妖精が飛び出してきた。その妖精、ユイはシャランシャランと音を立てながら俺たちの周りを飛び回る。

「パパとにぃに近づいていいのはママとねぇたちと私だけです!」

「ぱ、パパぁ!?…それに…」

「えっと…なんて説明すればいいんだろうな…」


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