プロローグ「ローマへいざ行かん!」 ※
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回復する並外れた回復力と頑健さを持ち、人を超えた呪力を得ることで魔術や呪術に一切影響されない特異体質へと変質する。また、高い言語習得能力やフクロウ並みに夜目が利き、直感といった第六感も向上。さらには闘争心に比例して自然と身体のコンディションが最良へと近づく。並の人間や魔術師では抗うこともできないとされているのが一般的常識だ。
そしてなにより、彼らを最強足らしめているのが、殺した神から簒奪した力――権能。その神の特性を受け継ぎ超常的な力を身に付けることだ。これが彼らをカンピオーネとして確立させている。権能の数は殺めた神に比例する。そのため多くの権能を有していると、それだけでステータスとなる。かく言う俺もカンピオーネだ。まあ、俺の場合は少々特別だがね。
『蒼蓮、聞いてる?』
「ああ、すまんすまん。聞いてるよ。まあ、エリカに関しては当然信頼しているから問題はないし、その新しいカンピオーネというのも気になるからな。OK、今からそっちに向かうわ」
電話越しでも分かるくらいホッと一息をつく。
『嬉しい回答ね。それじゃあ、こっちで待っているわ。お早い到着を期待しているわね、旦那様♪』
「はいはい。山猫ヤマトよりは早く到着するよ」
電話を切った俺は背後を振り返る。愛する家族たちの目が俺と合わさった。
「聞いていた通りだ。ということで、今からイタリアまでちょっくら言ってくるわ。誰か一緒に来るか?」
「わたくしも参ります、ご主人様」
「じゃあ、私は家で待ってますね」
間髪入れずシアが前に出る。それを見てシリアが後ろに下がった。
嫁たちが同行する場合、最低一名は戦闘要員を家に置くことが決まり事だ。家が襲撃に遭い妻たちが傷つきました、なんてあったら目も当てられないからな。まあ、この家の周辺には結界も張ってあるし、兆に一つの可能性も無いけれど。この世に絶対が無い限り一応の保険としてな。
「パパ、お出かけするの?」
「ああ。ちょっとエリカママに呼ばれてね。直ぐに帰って来るから、それまでいい子にしているんだぞ?」
「うん! あやめいい子にしてるー!」
ああもう、可愛いなぁ!
にぱーっと輝かしい笑顔を見せる愛娘を抱き寄せ頬を擦り合わせる。キャッキャッと嬉しそうに騒ぐ声を聞きながら、菖蒲の柔らかプニプニほっぺたを堪能した。
「準備ができ次第に行くから、シアも用意してきな」
「はい」
自室に向かうシアを見届け、俺も部屋に戻り寝巻の半襦袢から私服に着替える。甲斐甲斐しく着替えを手伝う妻たちと時折唇を合わせながら、着々と支度を済ませた。
「お待たせいたしました、ご主人様」
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