プロローグ「ローマへいざ行かん!」 ※
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ち貧乳組の妬みの対象となっている。
この五人の妻のうち、シリアとシアは戦闘要員だ。何の因果か、様々な神と戦う機会がある俺のサポートがしたいと本人たちが申し出たため、俺直々に指導している。流石に神を殺せる程の力量はないが、足止めや牽制をしたりと多くの戦場で貢献してくれている。すべての戦闘要員を集めたら恐らく嫁だけで神を殺せるだろう。そのくらいの実力はある。
他の妻たちは戦闘が苦手だったり、妻として家を守りたいと各々色々な理由があって、基本的には戦わない。それでも歴戦の傭兵に負けない程の実力は有している。俺の妻だからな、安心して家を任せられるというものだ。
「ごちそうさまでした」
『ごちそうさまでした!』
食事を終えた俺たちは思い思いに過ごす。小夜香とシリアは食後のお茶を飲みながらテレビを見て、シアは台所で食器を洗っている。鏡花は自室に向かい出された宿題に取り掛かり、ミアと菖蒲はテレビゲームに夢中だ。うちには大型液晶テレビが三台あるため困ることは無い。
「ご主人様ー、お電話ですー!」
食器を洗い終わったシアが受話器を片手にやって来た。こんな朝早くに電話だなんて珍しいな。
「誰から?」
「エリカさんです」
「エリカから? 三日前にも電話があったよな。また俺の声が聞きたくなったとかか?」
首を傾げながら受話器を受け取る。
「俺だ。どうした?」
受話器の向こうから馴染みの声が鼓膜を叩く。
『聞いて蒼蓮。今あなたがこっちに来てくれるとすごく都合がいいの。ということだから、今からこっちに来てくれない? 迎えに行ってあげるから』
「今から? それはまた随分と急な話だな。どう都合がいいんだ?」
『それはまだ内緒よ。でも今すぐに蒼蓮の手を借りる必要があるの。なるべく早くイタリアに来てちょうだい』
その口調はいつもの余裕に満ちたものだったが、声の奥に隠れた焦燥感を俺は聞き逃さなかった。
『決して貴方にとって不都合の真似はしないわ。それに、第八のカンピオーネに会ってみたくない?』
「ほぅ、今噂の新しいカンピオーネか」
カンピオーネ、または神殺し、魔王、羅刹王とも呼ばれる者がこの世には存在する。それは、神話に抗い地上に災厄をもたらす神を殺し、その力を奪った者たちの総称だ。超常を軽々と引き起こす怪物を殺めた稀代の馬鹿ども、それがカンピオーネ。
現在確認されているカンピオーネは八人。彼らは魔術師たちの王として君臨し、襲い来る神という名の厄災を振り払うことを義務付ける代わりに何をしても許される。
カンピオーネはある種の人外だ。瀕死の重傷や四肢を欠損しても
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