プロローグ「ローマへいざ行かん!」 ※
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えた俺はミアを抱えて居間に降りる。テーブルにはシリア、シア、鏡花の三人が既に席に着いており会話に花を咲かせていた。俺の姿に気が付いた三人がこちらに顔を向け笑顔を見せる。
「あっ、蒼蓮さん。おはようございます」
「おはようございます、ご主人様」
「おはよう、蒼!」
「おはよう三人とも」
幸せそうな顔で宙を眺めるミアを席に座らせて、意識を覚醒させる。柔らかい頬をプニプニと突くと、指をしゃぶり始めた。
「ちゅぷ……ん、ぴちゃ、ちゅっ、ちゅぱっ、……ん〜、蒼にぃ〜、ちゅぷ……っ」
トロンとした目で一心不乱に俺の指を舌で転がし吸引する鏡花。段々と指がふやけていくのを感じながら俺の息子が再び鎌首をもたげるが、
「こらっ」
「ふにゅっ!?」
隣に腰かけていた鏡花がミアの頭頂部に目掛けてチョップを繰り出した。ちゅぽんっ、と音を立てて指が解放される。唾液のアーチがなんとも淫靡ですなぁ。
頭をさすりさすりと擦っているミアが涙目で鏡花を見上げた。頭一つ分、鏡花の方が高いため自然と見上げる形になる。
「う〜、なにするのよぉ」
「いい加減起きなさい。もうご飯の時間よ」
丁度、台所から料理を持った小夜香がやって来た。良い匂いを漂わせる料理の数々に自然と唾液が分泌される。
「今日は和食にしてみました」
鮭の塩焼きになめこの味噌汁、厚焼き玉子、お新香か。洋食もいいが日本の朝は和食だな。
遅れて娘の菖蒲が人数分の茶碗を持って来た。
「パパ、パパ! あやめね、ちゃんとママのお手伝いしたんだよ!」
「おっ、偉いな菖蒲!」
構って構ってと天使のような笑顔で抱きつく娘の頭を撫で、隣に座らせる。
全員座ったのを確認した俺は手を合わせた。
「じゃ、いただきます!」
『いただきます!』
ワイワイと騒ぎながら朝の食卓を迎える。これが最近の海堂家の朝だ。
現在、海堂家には妻が五人と娘が一人住んでいる。他にも妻と娘がいるのだが、各自色々と用事があり世界各地を飛び回っているため、今は家を空けている。年に数回は家族全員が集まる日を決めているし、会おうと思えばいつでも会いに行けるので寂しくはないかな。
「ほらミア、頬っぺたにご飯ついてるよ」
「えっ? どこどこ〜?」
シリアの指摘にペタペタと反対のほっぺを触るミア。
シリアの名はシリア・エリステイン・海堂。肩まで掛かる栗色の髪に深い緑色の瞳をしている。雪のような白く滑らかな肌をしており、程良い大きさの胸の持ち主だ。妻の中でも頼れるお姉さん的な立ち位置にいる。
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