第一章 グレンダン編
天剣授受者
日常とは常に面白いものである
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が上手いため自壊などといった間抜けなことはしない。
シキは手早く終わらせて、レイフォンに合流しようと思い、鋼糸を操作しようとした。
しかし、シキは鋼糸の作業を中断して後方に飛ぶ。
飛んだ瞬間、地下から触手が伸びてシキがいた場所を破砕する。それだけに留まらず、触手はシキに追撃をかける。
シキは鋼糸を幼生体の駆除に回して、別の錬金鋼を手に持つ。
「レストレーション04」
復元されたのは細剣、シキはそれを振るう。
斬線とともに衝剄を放ち、追ってくる触手を切り落とす。すると地面が盛り上がり、触手の主が姿を現す。
それは肉の塊と形容する汚染獣だった。かろうじて口のような物が見えるが、それも複数有り、目などは見受けられない。シキはそのおぞましい姿に息を飲んだ。
「おい……コイツは」
汚染獣は、大量の触手を伸ばす。速度が早く、シキも気を抜いていたら触手に穴あきチーズにされるところであった。
間一髪で避けたシキは、そのまま十メルほど離れた場所に着地する。
たった数秒の攻防なのに、シキの身体からは汗が大量に出ていた。シキは鋼糸をやめて、手袋を待機状態に戻す。そして、腰から四つの錬金鋼を取り出す。二つは手の甲に、もう二つは足のスリットに差し込む。
「レストレーション05」
復元したのは手甲、本当ならば刀を使いたいが先日の爆発で失っている。得意とする得物がないことを不安に思うが、即座にその考えを消し飛ばす。
シキは今、持っている錬金鋼を頭に思い浮かべる。
手甲、細剣、槍、銃、手袋……そして剣。
「老生体だよな……下がるか?」
シキは冷静に念威操者からの連絡を待つ。しかし一向に連絡が来ない。
シキは殺気を感じ、足元に衝剄を放ちながら飛ぶ。衝剄で破砕されたのはまたもや触手だった。
着地した瞬間、また触手が襲いかかる。今度は四方からシキ目掛けて飛んでくる。シキは空中で体を捻る。
活剄衝剄混合変化、竜旋剄。
活剄により強化した腕力で体をコマのように回しながら、周囲に衝剄を放つ。
しかし、破壊された触手を気にせず、老生体は触手の数を増やしながらシキに襲いかかる。
シキは回転を続けて、触手を迎撃し続ける。
「うっとしい!!」
だが減らない触手に業を煮やしたのか、シキは剄技を止めて他の剄技を放つ。
サイハーデン刀争術、水鏡渡り。
瞬間、シキの身体がブレる。瞬間的に旋剄を超えたスピードで老生体に近づいたシキは、そのまま手を老生体の身体に当てる。
外力系衝剄の変化、爆導掌。
掌から衝剄を敵の体内に放つ。直接、衝剄を流された老生体は苦悶の声を上げる。シキは追い討ちをせず、後方に後退する。
この程度で殺し切れるほど、目の前の生物はヤワではない。
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