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魔法と桜と獣
六話 過去の真相
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「――惚気話じゃねえか、ボケ爺。どこがさくらと関係あるんだ?」

 さくらとはまったく関係ないわけではないが明らかにのろけ話になっている純一をジト目でにらみつつ、文句を言う。

「話は最後まできけ、若造。ちょうどそのころから、音夢の体調が崩れ始めてのう。そして、さくらの身の回りでも原因不明の事故が起こるようになっとんたんじゃ」

「――」

「その所為で、さくらは周囲から変な目で見られるようになってしまっての。それで、音夢の観護の合間を縫って、原因を調べようとしたんじゃ。そして、それから程なくして、その原因はわかった」

 ――それは彼女の祖母がかけた魔法だと純一は言った。
『願えばかなう力』
当時、苛められっ子だったさくらが幸せになれるようにと彼女の祖母がかけた魔法だという。

「音夢の体調不良も一種、原因は同じじゃった。昔も、今のように桜が年中、咲いていたんじゃ。その理由は悠二君ならわかるんじゃないかな?」

「――あの桜か」

 悠二の脳裏に浮かんだのはあの桜。
 さくらが植えたあの魔法の桜。あれがあるから、この初音島だけは季節を問わずにさくらが咲き誇っている。

「その通りじゃ。その時の桜は彼女の祖母が埋めた桜じゃった。誰もが幸せになってほしい。そんな願いを込めて埋められたとワシは聞き及んでいる。
皮肉じゃな。そんな誰よりも高潔な願いが音夢を、さくらを苦しめることになるとは」

「――」

「それからいくらかあり、さくらはついにその桜を枯らした。
 その数日後、さくらはこの島を去った。どんなことを考え、どんなことを想ったのかはワシにもわからん。そっちのほうは悠二君の方がわかっているだろうと思う」

「ああ。繋がった、全て」

 悠二の中で辻褄がった。
 なぜ、さくらがあんなものを作ったのか、そもそもなぜあんな無茶としか言えない存在を作ろうとしたのか。
 そして、なぜそこまでしてアレに拘ったのか。
 その全てに合点がいった。

「――血は争えん。そういうことか」

「――そうじゃな。その様子じゃと、ワシの推測もあっていたようじゃな」

 残念そうに呟く純一。
 できれば外れてほしい、そう思える推測だったに違いない。

「――ああ、爺さんの予想通りだよ。ただ、これは爺さんの時代のアレより幾分も劣っている」

 おそらく、さくらという異分子がなければ53年前、桜が枯れることはなかっただろう。
 『誰もが笑っていられる世界』
 そんなお伽噺にすらないものを実現させた彼女の祖母に少なからず驚きを覚えずにはいられない。
 だが、さくらはそれをもう一度具現化させようとして、考え付かないほどの年月を犠牲にし、そしてついに孤独に負けてしまった。

「――では、義之君は
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