暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第3話 親子のカタチ
[8/8]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話

「さらに、先程の推論を誰かに話せばどうなるか?」

「……異端 か」

 父上が重々しく呟きます。この時母上の呟きは、聞こえなくなっていました。

「感情的になってペドロを襲撃すれば、こちらが犯罪者ですね」

「くそっ……!! 我が子の敵も取れんとは何たる屈辱」

 父上は本当に悔しそうです。

 ここで母上が、突然立ち上がりました。顔は笑顔です。ですが威圧感は、明らかに上がっていました。これが伝説の、コ・ロ・ス笑みか? 流石に不味いと思ったのか、父上が母上を気絶させました。

 杖を取り上げ、手を背中で縛りつけベットに転がします。ついでに、足も縛りました。

「父上もやる時はやりますね」

「これ位できなければ、シルフィアとは付き合えんよ」

 父上が遠い目をします。

(父上が普段鈍いのは、母上の性格が激しいからなのでは?)

 一瞬だけ頭に浮かんだ感情を、直ぐに追い払います。

「シルフィアが目を覚ましたら、どうやって落ち着かせよう?」

 私には無理です。父上。助けを求めるように、こちらを見ないでください。

「あの……、がんばってください」

 そう言って、私は寝室から逃げ出しました。なぜか、父上は追いかけて来ませんでした。

(あっ……。父上に今後の危険について、話すのを忘れていました。まあ、後でも良いでしょう)

 そんな事を考えていると、突然身体が浮かび上がります。

 原因はミーアに拘束された事でした。

「また脱走して。駄目ですよ」

 ……脱走じゃありません。安全な所に退避しているだけです。

 そんな抗議をする訳にも行かず、結局私は寝室に連れ戻されました。扉を開くと同時に、父上の悲鳴が聞こえました。

 ミーアは、二人の状態(手足を縛られている母上と、母上に噛みつき攻撃くらう父上)を確認すると、速攻で私を引き渡し逃げて行きました。

(……おぼえてろ)

 この戦いは、母上が力尽きるまで続きました。






 この後、縛られたままの母上を、父上と二人がかりで理詰めにして説得しました。

「この件は、必ず黒幕がいます。末端だけで、黒幕は見逃しても良いのですか?」

 特に、この言葉が効いたようです。

 そして、母上は何時暴走するか分からないので、父上が説得して軍を引退させました。敵を打つ時に復帰するのが条件でした。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ