暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第3話 親子のカタチ
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うと、すぐ隣に父上もいます。

「まったく情けない。それでも私の息子か?」

「……えっ?」

 そこにあったのは、私が願い続けた答えでした。しかし、直ぐに反応することができません。これは夢なのではないか? とさえ思えてきます。

 そして母上が、私を黙って抱きしめてくれます。その感触は、これが夢ではないと私に教えてくれました。私は母上にすがりつき年相応に、泣きだしてしまいました。



 父上と母上に、ようやく話す事が出来ました。しかしまだ全部ではありません。何故この時期に態々話したのか、ある意味においてここからが本題です。

 しかし母上が、かなり辛そうにしています。出産からアナスタシアの世話まで、碌に眠る事も出来なかったでしょう。そこに追い打ちをかける様に起きた今回の一件です。恐らく乳母がいなければ、倒れていたでしょう。

(……なんか、物凄く罪悪感を感じるのですが)

 私よりも早く、その事に気付いていたのでしょう。父上は母上に少し眠るように促しました。最初母上は首を横に振っていましたが、父上が言い聞かせるとしぶしぶベッドに入ります。

「シルフィアが少し眠るから、続きは別の部屋で話そうか」

 流石は父上です。まだ話が終わっていない事に気づいていました。私は頷くと、父上の後に続きました。

 父上は一旦アナスタシアの居る部屋に行き、母上が疲れて寝ている事を伝えます。

 目的地は母上が出産する時に、父上に話を聞かされた部屋でした。父上がサイレントを使えるか不安に思っていると、その心配を見越したのか父上が口を開きました。

執務室(ここ)と寝室には、聞き耳防止用のマジックアイテムがある。……今起動する」

 私の心配は杞憂だったようです。

「あれ? それなら、あの時なんで母上にサイレントを使ったのですか?」

 わざわざ動揺している母上に、サイレントを使わせる必要は無かったのではないでしょうか?

「あれはあの状態でも、魔法を使えると思わせるブラフだ。実際は、同じマジックアイテムを起動させただけだ。それとギルバートが、力の流れが見えるか確認したかった」

(ここまでできる人が、簡単に騙されるとは思えませんね)

 先程まで真っ黒だった疑惑は、どんどん白くなって行きます。

「申し訳ありません。父上。どうやら、杞憂の可能性が高そうです」

「とにかく言ってみろ」

 正直に言うと背筋(せすじ)が寒くなる想いだったのですが、答える事にしました。まずは隠し持っていた、秘薬の小瓶を取り出し父上に渡します。

「そうか、ギルバートが持っていたのか。探していたんだ。で、これが如何したんだ?」

「父上。先程まで私はこの薬が原因で、姉上と僕が死んだ可能性が高
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