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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第3話 親子のカタチ
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がりが残っていたこの身体に入った事。

 今は、もう私しか存在しない事。

 マギとは、俺の知識でしかない事。

 そして、大いなる意思の事。

 ……流石に、原作知識の事は話せませんでした。

 一言一言に、誠心誠意気持ちを込めて説明しました。……そして。

「残念ながら、純粋な意味での貴方達の子供であるギルバートは、もう存在しません」

 最後に残酷に言い切りました。

 この時、私には覚悟が有りました。

 殴られる覚悟。

 追い出される覚悟。

 泣かれる覚悟。

 流石に、殺される覚悟は有りませんでしたが。

 父上が母上を、抱き寄せました。その表情は沈痛そのものです。母上の顔は、父上の胸に隠れていて、見てとる事が出来ませんでした。しかしその肩が、震えているのだけは分かりました。

「……一晩。シルフィアと話し合いたい」

「分かりました」

 私は椅子から降りて、部屋から出て行こうとします。

「待て」

 父上の声に私は動きを止めましが、振り返る事は出来ませんでした。

「私達が外に出る。今日は此処で寝ろ」

 そう言って二人は、寝室を出て行きました。

 ……ベットに戻り横になりましたが、とても眠れる様な精神状態ではありません。私は拒否される事への不安と、もっと良い伝え方があったのではないか? と言う想いが、頭から離れませんでした。

(父上と母上を信じるしかありません。それに全て正直に話したのは、私自身ができる最大の誠意だからです)

 何度も同じ自問自答を繰り返します。そうしている内に、窓の外は白み始めていました。



 朝起きるには少し早い時間に、父上と母上は戻って来ました。父上と母上は酷い顔をしています。

「おい、酷い顔をしているぞ」

 父上の第一声がそれでした。

「それはお互い様かと」

 父上に言い返します。母上は父上の影に隠れてよく見えません。

「……確かに。だが、お前の顔はもっと酷い」

(余計なお世話です)

「そんなに、拒絶されるのが怖かったか?」

 この一言に、私は動揺を隠す事が出来ませんでした。ビクッと私の意思に反し体が反応します。あとで思い返してみれば、震え目が泳いでいたでしょう。取り乱さなかったのが不思議な位です。

「結論を出した。続きだ。テーブルに着け」

 私はのそのそと、昨晩と同じ椅子に座ろうとします。ですが上手く椅子に座れず、椅子ごと倒れてしまいました。ハッキリ言って、情けなかったです。感情が抑えきれず、目から涙が溢れてきました。

 そんな私を、助け起こしてくれる人がいました。

「は はう え?」

 つい、そう呼んでしまいました。涙を拭
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