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SAO−−鼠と鴉と撫子と
23,役者は舞台へと
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ザイナーの悪趣味による仕様なのかはわからない。
だが、萱場明彦はベータテストから一貫して、罠解除スキルの設定を弄っていないのは歴然の事実で、罠解除スキルは攻略組ですら俺とアルゴを含めたごく数名しか運用できない状態となっている。

救済としては、18層のクエストで罠解除スキルの熟練度が僅かに上がる知恵の輪を貰える事が最近になって判明した。
が、このクエスト――恐ろしく時間がかかるくせに、肝心の報酬は一度解除すると耐久値全損となる鬼畜設計なのだ。
単体では罠スキルを育てるのには、恐ろしいほどの時間と金が必要で、俺とアルゴは泣く泣く装備品を全て買い替える位のお金をこのクエストになってしまった。

克話休題

「――まあとにかく、俺とアルゴが二人揃って罠を見逃す方が不自然なんだ。それに、キリトもあの道使ったろ?」
「ああ。罠があったことないし、罠にかかっているプレイヤーも見たことがないな。ア……フェンサーさん、解放隊は何て言ってたんだ?」

「……アスナでいいわ。解放隊は確実にマップデータの中でトラップにかかったって言ってるの」
アスナがやや声のトーンを下げながらも、右手を振ってメッセージを呼び出す。その中から先程届いたメッセージを呼び出し、淡々とした口調でそれを読み上げていった。

――本日11時25分 迷宮区からフィオーナへと帰還を開始。
――同日11時45分 クロウのマップデータに示す安全通行路への移動を完了。
――同日11時47分 団員の一人が、トラップ作動のエフェクトオンを聴いた。同じ音を数名の団員も確認。
――同刻 トラップの作動を確認。
――同日12時00分 数名の攻略組プレイヤーが解放隊を発見し、救援。このとき、このプレイヤーは確実に安全通路を歩いていたと証言
――同日12時02分 点呼により、二名の解放隊プレイヤーの死亡が確認。黒鉄宮でも死亡が確認されている。

「解放隊だけじゃなく他のプレイヤーまでルート内を証言しているわ。解放隊のケアレスミスの線はないみたいね」
アスナは左手で唇を覆い、再び顔を落とした。

通路の中のトラップは取り除いたと主張する俺とアルゴ。
通路内でトラップが作動したという解放隊。
両者の主張は完全に対立項にある。

ふと、キリトの方を見ると、じっと口をつぐんでいたキリトが顔をしかめながら、口を開いた。

「例えばこういうのはどうだ。罠の中には一定条件を満たさないと看破も出来ず、発動もしないものがある。解放隊は攻略組の中で間違いなく最大で一番重い。だから重量制限で発動したってのは?」
確か、第三層にそんなMobがいただろう、と霧の森で出現する枯れ木改め植物型Mob《トレント・サプリング》の話を始めた。
俺は三層には対して滞在しなかったが、
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