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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
第二十二話「一夜明け」
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なければ、激情に身を任せるような真似はしない。ただ淡々と蒼鷹に言う。顔も見たくない存在に消えろ、と。

初めて蒼鷹の表情に嘲り以外が浮かんだ。

「クソつまんねぇな。オマエ」

言葉通り本当につまらなそうに吐き捨てる。明らかにその眼には落胆の色があった。

「貴様を楽しませてやる趣味もない」

「そおかよ」

前に一度取り乱した時には状況もソレに拍車をかけていた。フェイトが死んでしまったかも知れないと言う言葉とそれを確かめられな状況。エレギオの人柄への不安も加わってリオンはあっさりと術中に嵌ってしまっていた。だが二度、同じ手にかかるような愚か者ではないしましてや今回はフェイトは確かに救えている(、、、、、、、、、、、、、)。自分一人の力ではないにせよ確かに彼女の温もりが戻るのはリオンは自分の手で感じていた。
すると蒼鷹は舌打ち((くちばし)でどうやっているのかは不明だが)する。

「クソすまんねぇの……」

「…………………………」

悪意に満ちた声はそれだけで狂気的に聞こえる。リオンは狂気に満ちた存在を知ってはいたし直接戦ったこともある。だが……いやだからこそそんな声がこの世で一番嫌いだった。蒼鷹がこれで興味を失いどこかへその鳥として有り得ないほど大きな翼で飛んで行ってくれたらリオンとしては万々歳である。
だが蒼鷹はそれでも帰ろうとはしない。寧ろその眼の輝きをさらに増しているようにさえ思う。


「仕方ねぇ、奥の手を使うか(、、、、、、、)


突然、リオンは言いようも無い悪寒に包まれた。例えようも無い、気持ち悪い悪寒。
蒼鷹はゆっくりと翼を広げ――――

「!?」

突如として眼前に迫った手を反射的に掴んで地面に叩き付けた。客員剣士時代に相当仕込まれていたとはいえ剣が専門で有ると言うのにやけにあっさり技が入った事に若干不思議に思いつつそのまま腕を捻り組み伏せる。あの蒼鷹によって作られた存在だ、当然ロクな奴ではあるまい。そう思っていたのだが。

「うがぁぁあああ!! 寝ぼけんな!!」

おや? なぜかとっても聞きなれた声がするよ?

恐る恐る顔を見る。
そこには苦悶の表情を浮かべた銀髪もじゃもじゃで年齢が30前後(アラサー)の医者が居た。

「え、お、お前」

「速く技解けよ! 俺の黄金の右手が大変なことにあばばばばばば!!!!」

完全に決まった一本背負いだったという。

−−−−−−−−

「たくよぉ。起きたときに手が目の前にあったら一本背負いですかあ? トクシュコーサクインかよイテテテ」

「起こそうとするならもっと別な方向で起こそうとは思わなかったのか? 何で頭を揺らそうと思ったんだ」

「うるせ、独自の方法だ。うなされてたから一発で
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