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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第2話 今後の考察と告白
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が、父上が王都に出発するのが5日後らしいです。
“つまり5日の有余が有る”と、思うのは間違いです。実際には父上と母上にも、落ち着いて考える時間が必要ですし、こんな荒唐無稽な話を信じてくれるかが疑わしいです。
ですが、説得力を持たせるのも難しいです。唯一異常と確認できるのが、私自身が突然流暢に喋り出す事位しか無いからです。ならば話術で論破するしかありません。それで信じてもらった上で、受け入れてくれるのでしょうか?
(……弱気になるな!! もう後がないと思え。……そうだ、実際父上が薬を使わなかったのは今回だけですが、これが悪意ある毒薬なら前回と今回の2回使わなかった事になる。犯人は父上が見破っていると思うかもしれない。そうなれば良くて証拠の隠滅。最悪の場合、家族全員死ぬ事になってしまいます)
私は“自分が言い出せなかった場合に生じる最悪のパターン”を考え、自分に発破をかけます。
これからする話は、当然使用人達まで巻き込めません。純粋に、父上と母上だけに聞いてもらわなければなりません。それならば、狙うは母上が乳母と交代する就寝直前が良いでしょう。万が一を考え、最初にサイレントで聞き耳封じをしなければなりません。
話すのは今夜です。出来るはず! いや、やるんだ!!
……そして、夜の帳が下りました。
いつもなら眠くなる時間ですが、今日は全く眠気が訪れません。一度寝たふりをして、ミーアを部屋から追い出します。寝室には、十分な量の月明が差し込んでいました。ベットの上で窓の月を眺めながら、父上と母上の帰りを待ちます。
暫くすると、父上と母上が寝室に帰って来ました。父上と母上は、私がまだ起きているのに驚いた様です。そして私がまとう雰囲気に、戸惑いを見せ……。
母上は、私に眠るように促しました。
父上は、私を睨みつけて来ました。
通常なら母親の方が、子供の微細な変化に敏感なはずです。しかし母上は、私の変化を理解するのを拒否しました。父上は優秀な軍人のようです。いつもの柔和な感じが消え失せ、私を強く警戒しています。
その場の空気を否定するように、母上が数歩前に出て口を開きました。
「ギルバートちゃん。もう夜も遅いから寝ましょうね」
母上の目には、懇願するような色が有りました。ひょっとしたら、私の事を一番理解しているのは、母上なのかもしれません。しかし理解出来る事と、受け入れられる事は全くの別物です。そんな母上の声無き懇願を、私は踏みにじらなければなりません。
私は意を決すると、口を開きました。
「父上。母上。大切なお話が有ります」
「「ッ……!!」」
母上は呆然としながら、首を僅かに左右に振るだけでした。目には涙が浮かんでいます。
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