第80話 洛陽へ凱旋
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「劉ヨウ、そちはどう思う?」
霊帝は息を乱しながら、私に後継者について意見を求めてきました。
臣下の私が好き勝手に言えるわけないです。
心の中で溜息をしつつ、重い口を開きました。
「陛下、臣下の身で陛下の後継者について意見を申しあげるのは君臣の道に外れます。どうかお許しください」
私はうやうやしく平伏して明言することを避けました。
「劉ヨウ、そちの態度が臣下あるべき姿ぞ! 何進の奴め、表向きは朕に服従しておるが、裏では弁を皇子に据えようと画策しておる!」
霊帝は声を荒げて何進様を罵りました。
「劉車騎将軍、陛下は後継者のことで日夜胸をお痛めになっております。ここはあなたも陛下にご協力願えませんかな。おお、なんとおいたわしいのでしょう」
張譲は目頭を抑え、うやうやしく態とらしい態度で言いました。
「張譲殿は協皇子を擁立しようとお考えなのですか?」
「私は陛下のご意志に従うまでです」
張譲は明言せずに、「陛下のご意志」を強調して言いました。
「ならば、私も陛下のご意志に従います」
私は張譲に倣って霊帝への協力の意思を伝えました。
「劉ヨウ、朕の力になってくれるのだな。朕は忠臣に恵まれ嬉しい限りぞ!」
霊帝は笑顔で言いました。
「微力ながら、この劉正礼が陛下に協力させていただきます」
「劉ヨウ、これからよろしく頼むぞ! 蹇碩、これからこの者と協力することになるであろうから挨拶をせよ」
霊帝は蹇碩の方を向き言いました。
「劉車騎将軍、私は蹇碩と申します。以後、お見知りおきください」
蹇碩は鋭い眼光で私を凝視すると、ドスの聞いた声で言いました。
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