ゴルゴンの終焉
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を憎みはしなかったのに、と。
二人の姉は男に愛され、犯される日々を約束されていた。
上の姉は運命と思い、下の姉は嫌悪して、仕方ないと諦めていた。
それを――――――――末の妹は懸命に、最後まで守り通してくれたのだ。
「・・・・・貴女は私たちを守った。けれど、私たちを守ったメドゥーサはもういない。
なら―――――守られていた私たちも、同じようになくなりましょう」
なくしたものは戻らない。
この最果ての島で三人、永遠に過ごせるのだと夢見ていた彼女は、目蓋を閉じて面をあげる。
【「メドゥーサのことだ。お前ら、いい加減態度を改めたらどうだ?」
「努力はしています。ですが・・・」
「今更私と私が優しくしたらあの娘がどう思うかわからないし」
「・・・・・・・・・・そうか。だが一つだけ忠告しておこう。このままでは全てが壊れるぞ」】
「・・・・・・うわ、もう目の前かあ・・・・・。結局、貴方の言うとおりになってしまったわね。
じゃあね。さようなら、可愛いメドゥーサ。
最後だから口を滑らせてしまうけど――――――憧れていたのは、私たちの方だったのよ?」
『『そして、さようなら。―――――流儀』』
過ぎ去った日々は戻らない。
この鄙びた神殿から抜け出して、いつか三人でもとの居場所に戻るのだと信じていた彼女は、
かつてのように笑って面をあげる。
『止メテ―――――――止メテ 止メテ 止メテ――――――!』
幾億の蛇が、二人に巻き付いていく。
怪物は蟻を潰すように、姉たちをひき潰す。
―――刹那―――
斬!斬!斬!斬!斬!
蛇は瞬く間に切り裂かれた。
ふたりはいつまでたっても痛みのないことに違和感をおぼえ、そっと眼を開ける。
そこには、三姉妹の英雄がいた。
流儀視点
『『流儀!どうして!?』』
「なに、こちらから邪的な気配を感じてな。まさかとは思ったが、当たりだったとは」
苦々しい思いで答える。
「1年にも満たぬ間にここまで成長するとは。・・・・・・・・お前ら、結局変わらなかったんだな」
ふたりは俯く。
「で、お前ら。どうする?ここで呑まれるか、奴を潰して男に犯される運命を遂げるか。
それとも――――――――三人でまた一からやり始めるか」
バッと顔を上げる二人。
「・・・・・・・
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