空白期(無印〜A's)
第二十六話 裏 (翔子、カロ、なのは、テロリスト)
[7/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
塊を球状にして、翔太に向かって飛ばす。軌道は、間違いなく翔太の頭を狙っており、何も邪魔が入らなければ間違いないなく、彼の頭頂部に当たっていただろう。
そう、何もなければ。
その魔力球が、突然割れた。いや、割られた。まるで意思を持ったように飛んできた球体によって。彼は、それを知っていた。その魔法を知っていた。父に魔法をせがんで見せてもらった魔法の一つだから。しかし、その魔法は明らかに父から見せてもらったものとは異なった。
まず、その魔法に込めれらた魔力量が異なる。リンカーコアが覚醒した今となっては、カロも少しは魔力を感じ取れるようになっているのだ。だからこそ、分かる。分かってしまった。その魔法に込められた魔力が。
そして、次に、元来、多数をもってして成るはずの魔法であるにも関わらず単一できびきびした動きする。それこそ、意思を持ったように。彼が尊敬する父ですら、曖昧に大体の操作しかできなかったのに。
その魔法は―――アクセルシュータという魔法は、カロが知っているものとはまったく違うものだった。
「お、おい……あ、あれ」
「なんだよ……」
今、見た魔法に戦慄していたカロだったが、彼の仲間によって袖を引っ張られ、現実に引き戻された彼は、またしても、そこに非現実的な何かを見る。
「あ、あ、あぁ……」
恐怖に戦く。いや、戦かざるを得ないほどに分かってしまう。彼女―――高町なのはの真後ろに展開された無数のアクセルシュータ。そして、彼女の視線から、明らかに自分達を狙っている事が容易に理解できた。
「あいつら、ショウくんに魔法を当てようとした」
どうやら、カロは、触れてはいけない逆鱗に触れてしまったようだった。しかし、だからといって、狙ったことを認めて、あの魔法の餌食になってはたまらない。
それだけの魔力があの魔法にはあった。いや、カロには理解できた。彼女が背負っている無数のアクセルシュータ。それはただ、存在するだけで濁流のような魔力量を感じさせる。カロ程度では全体を把握することはできず、漠然とたくさん、と感じる程度であるが。例えば、コップ一杯では、一リットルと量で換算できるが、海を何リットルと見ただけでは分からない感じに似ている。
つまり、カロが感じるのは、計り知れないほどの量の魔力に対するこれ以上ないほどの恐怖である。
「ち、違うんだっ! あれは、偶然で、失敗した魔法がそいつに飛んでいっただけなんだ!」
醜いいいわけだとは分かっている。彼女は、それすら見抜くであろうということも。いや、そんな理由など彼女には関係ないのではないだろうか、と思わせる。なぜなら、高町なのはの目は、明らかに静かな怒りで染まっているからだ。
彼の予想通り、カロの言い訳を聞いた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ