空白期(無印〜A's)
第二十六話 裏 (翔子、カロ、なのは、テロリスト)
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自分の左手を絡めてきた。
病院は広大で、それに比例するかのように人の出入りも多い。彼女のような人見知りが、ここで迷子になっては大変だろうと思った翔子が、いつものように手を繋いだのだ。アリシアは、手を繋ぐのが好きなのか、地球でも買い物の際に手を繋ぐために手を差し出すと嬉しそうにその手を取るのだ。
そんな情景をリンディに微笑ましそうに見られながら、一向は病院の中を進んでいく。
病院は、人の多さに比例するように繁盛しているようで、病院で順番待ちしている人たちで一杯だった。しかし、その中をリンディは、どんどん進んでいく。リンディの話が本当ならば、今、歩いている所は、内科なので全然違うのだろう。
リンディの先導にしたがって、進んでいくと今度は人が全然いない棟へとやってきた。アリシアは誰もいない空間が怖いのか、ひしっ、と翔子にくっついてくる。アルフも主人であるアリシアの恐怖心を感じているのか周りをしきりに警戒していた。
やがて、到着したのは病院の診察室の一つ。ただし、待っている人は誰もなくどこか閑散としている怪しい場所だった。心療内科とはこのような場所なのだろうか、と翔子は思った。
リンディが失礼します、と入った部屋に続いて恐る恐る入っていくと、そこは翔子が知っている診察室に近かった。ただし、どこか本などが多く、大学の研究室を髣髴させる。
部屋にいたのは、白衣を羽織った中年の男性だ。いかにも医者という感じがする。
今日の患者は、アリシアだ。リンディもアリシアを呼んでいる。アリシアは、翔子にくっついたまま離れる様子がないが、それでも自分が呼ばれていることには気づいたのだろう。翔子と呼ばれている場所を見比べていた。どうしたら良いのか分からない、といった様子だ。
しかし、アリシアが診察を受けなければ、いつまでたっても終わらない。だから、翔子は、アリシアの肩を押して、医者の前に椅子に座るように促してやった。自分は、邪魔にならないが、彼女が見える位置で、と思い、待合用の椅子に腰掛けさせてもらった。リンディも医者と二、三言話すと、翔子の隣に座る。
「どのくらいで終わりますか?」
「一時間もかからないとは思いますが……」
アリシアが不安がっているのは分かる。だからこそ、短時間で終わって欲しいと思っていた。
一時間。それが長いか、短いかは人によるだろうが、少なくとも翔子からしてみれば、短いうちだと思う。それ以上、かかることも心配していたのだから。
そうこうしているうちに、アリシアの検査が始まった。最初は、穏やかな感じで始まっていた。医者の様子も笑みを浮かべており、剣呑とした雰囲気はない。心療内科というだけあって、子どもの心を掴むコツのようなものでも知っているのだろうか、最初は警戒
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