空白期(無印〜A's)
第二十六話 結
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に値する結界魔法である。
魔法殺しという割には、魔力結合を分解するだけなので、体内で展開される魔法―――身体強化などは発動できるという代物だ。
なるほど、僕の念話が通じなかった理由が分かった。AMFに妨害されたと見るのが適当だろう。もしも、AMFによる妨害を回避するつもりなら、なのはちゃんのように圧倒的な魔力でねじ伏せるしかない。
だが、なのはちゃんほどの魔力を持つ人間がどれだけいるのだろうか。特に地上部隊に。クロノさんの話では、ほとんどの主力は海―――本局に偏っているという話だが。ああ、だから救助が遅れるのか。
AMFで魔法が封じられた彼らには、救助のためにできる手段としては身体強化で突入するぐらいだろう。しかし、銃を持っている連中にそれは自殺行為だ。バリアジャケットが展開できれば、話は別だろうが。あれもAMF下では、影響を受けてしまう。
『今、本局のほうにも連絡して、陸との共同戦線を張るつもりだ。だが、少し時間が必要かもしれない。すまない……少しの間、耐えてくれ』
『分かりました。首を長くして待っておくことにします』
できるだけクロノさんが気負うことがないように、冗談交じりで僕は答えた。確かに待つことは苦痛だが、危険がなく、クロノさんも頑張ってくれている以上、文句が言えるはずもない。早いことに越したことはないが、焦って、きゅうじょが 不確実なものになるよりもいい。
僕の気遣いなんてものは軽くばれていたのか、クロノさんは、くくっ、と苦笑するとやや気が抜けたような声で言う。
『子どもが気を使うものじゃない。できるだけ早く話がつくようにするから。それまで待っていてくれ』
クロノさんとあまり身長は変わりませんよ、とはいえなかった。クロノさんとの念話は、それで切れた。おそらく、話していたように地上部隊との交渉を優先したのだろう。ならば、僕にできることは、銃を持って見張っている彼らを誰も刺激しないようにすることだけだ。
僕はなのはちゃんに念話を繋いでくれたことにお礼を言うと、しばらくの間、大人しく待つことにした。
◇ ◇ ◇
『ショウくん、クロノって人から念話だよ』
『え? なんだろう?』
大人しく待つことにしてどれだけの時間が流れただろうか。生憎ながら、時計すら見る事ができないこの身では、正確な時間の流れすら分からない。それなりの時間は経っていると思う。
『翔太くん、聞こえるかい?』
『ええ、どうしたんですか? クロノさん』
クロノさんに用件を聞きながらも僕は、内容に大体の予想ができていた。この状況下で伝えることは、一つしかない。ありていに言えば、僕は救助が来ることを期待していた。いい加減、ここにいるのは窮屈になっ
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