空白期(無印〜A's)
第二十六話 結
[6/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
銃を持っている。防火扉がどれだけのブロックに分割できるか分からないが、10以下ということはないだろう。ならば、監視役に必要な人数は最低でも三十人以上必要だ。
人数が大きくなればなるほどに統率を取るのが難しくなる。だからこそ、作戦に妥当な人数に絞ったのだろう。
『もしかして、捕まっているのは、僕たちだけですか?』
『いや、確認できただけでも8ブロックが君達と同じように隔離されている』
運が悪かったと思うべきか。同じような広さが8ブロック。面積比で言うならば、人質になる確率よりも、逃げられる確率のほうが高いはずなのだが。事前に知っていたわけではないので、嘆いても仕方がない。巻き込まれたことを不運に思うだけだ。
『そうですか。救助のほうは動いてますか?』
巻き込まれた不運については仕方ない、と割り切って、僕は助けについて聞いてみた。普通なら、警察―――この場合は、時空管理局の地上部隊の人たちが助けてくれるのだろうが、おそらく8ブロックに分けられたことが救助を難しくしている。なぜなら、一箇所なら、突入のタイミングを計るのは、簡単だ。しかし、別れている場合、一気にタイミングを合わせるのが難しくなる。
もちろん、一箇所一箇所占拠していく方法もあるが、彼らは意外と用意周到だ。無線できちんと定時報告をしているのだから。時計がないから分からないが、おおよそ十分に一度ぐらいだろうか。つまり、一箇所一箇所占拠していくにしても、定時報告のタイミングを見計らって、一気に制圧する必要がある。予想以上に時間をかけた場合、人質に危害を加える可能性があるのだから。
考えれば、考えるほど、今回の事件の計画はよく練られている事が分かる。しかし、そうなると怪訝な事が一つある。
それは、今、こうやって僕が外と連絡取れていることだ。魔法という手段が、一般的ではない僕の世界なら分かる。しかし、ここは魔法世界だ。これだけ念入りな計画を立てている彼らが、魔法のことを失念しているとは考えられない。ならば、なぜ、こうやって僕たちは見逃されているのだろうか。
『……言いにくいことなんだが、もしかしたら、救助は長引くかもしれない』
この事件に関して不審な点を考えているとクロノさんが、やや言いづらそうに言葉を発した。
『理由を聞いてもいいですか?』
『ああ、どうも、奴らAMF発生装置を持ち込んでいるようだ。しかも、強力なやつを。地上部隊では、ショッピングモールで魔法を使うことはできない』
ああ、なるほど、と僕はクロノさんの言葉に納得してしまった。彼らは、魔法のことを考えなかったわけではないのだ。考える必要がないのだ。AMF―――アンチマギリンクフィールドだっただろうか。魔力結合を分解する魔法殺しの結界魔法。AAAランク
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ