空白期(無印〜A's)
第二十六話 結
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念話を使って、クロノさんに話しかけた。本来であれば、許可なく魔法を使うことはできないが、なんにだって例外が存在する。その例外が、今回のような緊急時の連絡だ。僕は、クロノさんからの返事を待った。しかし、一向にクロノさんからの返信はない。
確かに魔法にも電話のように電波が届かない―――この場合は、魔力が届かないということはある。だから、普通は、デバイスに内蔵された通信機器を使うらしい。しかし、聞いた話によるとクロノさんは、僕たちがこちらにいる間は、ミッドチルダに駐留するつもりだといっていた。そして、僕の魔力の強さでは、ミッドチルダという町全体ぐらいは、通信範囲内だと聞いている。
もっとも、正確に距離を測った事がないため、もしかしたら、クロノさんがいる位置というのは、僕の魔力通信範囲外になるのかもしれない。
『ねえ、なのはちゃん』
『なに? ショウくん』
『クロノさんに念話で連絡を取ってもらえないかな?』
僕は、なのはちゃんにクロノさんに念話で連絡をしてもらうように念話で頼んでみた。口にしないのは、テロリストの人たちに気づかれないようにするためである。僕では無理かもしれないが、なのはちゃんなら可能だろう。なのはちゃんの念話は、僕のような町という単位ではなく、国という単位で通じるらしい。つくづくなのはちゃんの規格外の魔力の大きさが分かろうというものだ。クロノさんがミッドチルダにいるなら、なのはちゃんから話しかければ、通じるはずだ。
『うん、分かった!』
元気に返事してくれたなのはちゃんが、目を瞑るようにして集中した、その後、すぐに僕に念話による通信が入ってきた。
『翔太くん、なのはさん、無事かい?』
声はまさしくクロノさんだ。僕の念話が今更ながら通じたのかな? と思ったが、おそらく違うだろう。なのはちゃんが気を利かせて、僕にも念話を流してくれているらしい。つまり、なのはちゃんが中継塔のような形になっているのだ。実に器用だと思う。魔力だけではなく、その扱いにも長けているといえるだろう。
『はい、無事です』
『そうか、よかった』
僕からの返事を聞いたクロノさんは、どこかほっとした声で、僕たちの無事を喜んでくれた。本当にクロノさんは、いい人だと思う。時空管理局が警察のような組織というのであれば、クロノさんほど嵌っている人はいないのではないかと思う。
『あの、外の様子はどうですか?』
『今は、地上部隊がショッピングモールを囲むように展開して、逃げてきた客を避難させているよ』
逃げてきた客? てっきり、僕は全部の区画が僕たちのように防火扉で仕切られた、と思ったのだが、どうやら違うらしい。しかし、よくよく考えてみれば、納得できる理由だ。この場所だけでも三人が監視役として
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