空白期(無印〜A's)
第二十六話 結
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魔法について学びたいと思ったら、連絡をくれ」
どうやら、勧誘のようなものらしい。クロノさんの話によると管理外世界の人間がこうやって、スカウトのようなものをされるのは、別に珍しい話ではないらしい。ミッドチルダにも管理外世界の住人が時空管理局に勤めている例もあるし、なにより驚いたのは、クロノさんの上司以外にも地球からミッドチルダに来ている人がいることだ。
「もっとも、君達はまだ子どもだ。進む道を今すぐ決めることはないだろう。ただ、別の選択肢があることも覚えていてくれると嬉しいよ」
報告によると君達は、魔法の才能があるようだからね、と冗談交じりのように言うクロノさん。なのはちゃんは当然としても、僕も同じように言われるとは思わなかった。
「わかりました。これは一応、受け取っておきます」
クロノさんの言うとおり、今すぐ決める必要はないだろう。僕たちはまだ小学生だ。進路を決めるには幼すぎる。魔法という知らない技術に胸が踊ることも事実だが、この世界に来るということは、僕がいる世界との繋がりが薄くなるということだ。いや、こうして行き来ができていることも事実だが、容易に移動することはできないだろう。
「それじゃ、翔太くん、なのはさん、元気で」
「はい、クロノさんも気をつけてくださいね」
僕とクロノさんは、がっちりと握手を交わす。なのはちゃんも、おっかなびっくりという様子でクロノさんと握手を交わしていた。
それを最後に僕たちは、クロノさんとリンディさんに手を振られ見送られながら、空港でいうところのゲートを越えた。
こうして、僕たちの魔法世界での短い滞在期間は終わりを告げたのだった。
空白期終わり
A's編へ続く
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