空白期(無印〜A's)
第二十六話 結
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聞いたとき一番取り乱したのはアリシアちゃんだったというのだから、こうやって甘えてくるのは、その反動なのだろう。
母さんも、今まで自分にべったりだったのに、悲しいわぁ、と苦笑しながら言っていた。おそらく、本当は微塵もそんなことは思っていないはずだ。むしろ、微笑ましく思っていたはずだろう。しかし、アリシアちゃんは、その冗談が通じなかったのか、僕と母さんの間で右往左往していた。
しかも、残り数日になったとはいえ、魔法講義までついてくるのだから。教室では、ただでさえ注目されているのに、その上、新しい人間を連れてきてしまったものだから、さらに注目を集めてしまった。おそらく、原因はそれだけではなく、アリシアちゃんの容姿にもあったのだろうが。
僕にとっては、可愛い妹程度の認識しかないが、それでも可愛いと思えるのだ。まったく他人である男の子からしてみれば、アリシアちゃんは美少女といえるのだろう。注目を集めてしまったのは、おそらくそんな理由もあるのだろう。
一方、なのはちゃんも似たような行動を取っていた。もっとも、彼女の場合は、聞いただけではなく僕の惨劇も目にしているのだから仕方ない部分があるだろう。あれがトラウマになっていなければいいのだが、とはクロノさんの言である。確かに人が目の前で撃たれているのだ。それがトラウマにならないとは限らない。
だから、できるだけ一緒にいて、僕はここにいるということを証明しなければならなかった。
もっとも、この世界に来てからは一緒にお風呂の入ったり、同じベットで寝ていたりしていたので今更だが。
故に、テロにあってからも色濃い数日だったというわけだ。
「お世話になりました」
ありがとうございました、というお礼と一緒にお世話になった二週間のお礼も告げる。クロノさんがいなかったら、ここでの生活も一苦労だったし、テロにあって撃たれてしまうという悲劇もあったが、この世界にくることもなかっただろう。
「いや、僕たちのほうこそ、あんなことに巻き込んでしまって申し訳ない」
お礼を言ったはずなのになぜか謝られる。しかし、これはもう何度も謝罪を受けている。そして、僕は生きているのだから、問題ないとは断言できないが、これ以上、謝られても困惑するだけである。
「そうだね。じゃあ、もうこれでおしまいだ」
僕が思っていることを告げると、僕の態度が子どもらしくないと思っているのか苦笑しながら頭を上げていた。
「ああ、そうだ。別れる前にこれを渡しておくよ」
そういってクロノさんが取り出したのは、数冊のパンフレットだ。まるで、アリシアちゃんが聖祥大付属小に編入する前に貰ったパンフレットのような本である。
「僕が働いている時空管理局のパンフレットだ。もしも、君達が
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