空白期(無印〜A's)
第二十六話 結
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明。回復魔法にしても、なのはちゃんの魔力光は桃色なので、青白い光というのもおかしい話らしいが、なのはちゃんに聞いてもよく分からないとのこと。レイジングハートにお願いしたらしい。一方のレイジングハートは、なのはちゃん以外にはアクセス権限はなく、調査は困難との事から、調査は打ち切られたようだ。
「それで、テロリストの人たちはどうなったんですか?」
僕のことはわかった。しかし、事の顛末だけは分からない。気になった僕は、それをクロノさんに聞いたのだが、クロノさんは、引きつったような笑みを浮かべたまま教えてくれた。
「うん、まあ、一応、数人の負傷者は出たが、人質の人たちは全員無事だったよ。テロリストも全員逮捕できた」
どうやら、事の顛末は事の外、思ったよりも上手くいったらしい。おそらく、負傷者の一人に数えられた僕が言うことではなかったが。
「ただ―――」
「ただ?」
「君達がいたショッピングモールは更地になったけどね……」
あはは、と乾いた笑みを浮かべながらクロノさんが言う。
更地? どうやったら、あの状態からそうなるというのだろうか。訳が分からなかったが、なぜかクロノさんは僕が聞いても頑なにその原因を応えてくれなかった。まあ、クロノさんも時空管理局の局員なのだ。そう簡単に教えるわけにはいかないということなのだろうか。クロノさんを困らせるわけにもいかない、と判断した僕は、クロノさんに問うのをやめた。
「とりあえず、君の母親を呼んでくるよ」
母さんは、どうやら別室の親族用の部屋で休んでいるらしい。クロノさんにえらく心配していたから、今から覚悟することだね、と笑いながら言われたが、僕にはクロノさんの真意が分からなかった。疑問符を浮かべる僕に苦笑しながら、病室から出て行くクロノさん。
彼の苦笑の意味を理解したのは、飛び込んできた母さんに強く抱きしめられ、その人肌の温かさに安心感を覚えながらも、危うく窒息しそうになったときだった。
◇ ◇ ◇
「二週間なんてあっという間だったね」
僕たちは、この世界に来たときと同じ建物に来ていた。第九十七管理外世界―――地球の日本へ帰るために。見送りのために来ているのはクロノさんとリンディさんだ。
そう、僕たちがテロに遭遇してから数日後、魔法世界の滞在期間が終了した。二週間もいたのか? と思うほど体感時間は早かったが、初めての魔法講義、テロに遭遇、というイベント尽くしでは、それも無理もない話だ。
あのテロの翌日から、前から僕の後を追いかけてくることが多かったアリシアちゃんだったが、それがより顕著になった。下手すると僕の袖を掴んでくるほどに。僕が怪我して、失血量から考えれば、死んでいてもおかしくない、と
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