空白期(無印〜A's)
第二十六話 起
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!」
そんな僕に気づかず、抱きついた形のままアリシアちゃんは顔を上げて、ぷりぷりと怒る。どうやら、あまりに魔法の練習の時間に時間を割きすぎて、今日はアリシアちゃんは既にお風呂に入ってしまったことを怒っているようだ。別にアリシアちゃんと一緒にお風呂に入る約束をしていたわけでもなく、アリシアちゃんの中で勝手に決められたことなのだろうが、それでも彼女は怒るのだ。
いくらなんでも理不尽すぎると思い、アリシアちゃんに言い聞かせようと思ったのだが、その前に僕とアリシアちゃんの間に割って入る影があった。なのはちゃんだ。僕とアリシアちゃんを引き離すように僕とアリシアちゃんの間に腕を入れて、そのまま引き離す。その力は、男である僕を軽々と動かすほどの力である。まあ、この年代の体のつくりは女の子のほうが早熟だから仕方ないのかな? とは思う。
僕とアリシアちゃんの間に入ったなのはちゃんは、僕に背を向けており、表情は伺えない。しかし、雰囲気は険悪なものへと変わっていることは容易に感じる事ができたので、慌てて今度は僕が二人の間に割ってはいた。どうも、この二人はあまり相性がよくないらしい。一時は友達になれるかな? と思っていたのだが。
「アリシアちゃん、今日は約束してないよね? だったら、怒るの筋違いじゃないかな?」
そう言い聞かせると、なんとなく納得してないような風だったが、それでも、ごめんなさい、と言っていた。
さて、次はなのはちゃんだ。
「僕のために割って入ってくれて、ありがとう。まあ、家でもこんな感じだから気にしないで」
僕がそういうと、なのはちゃんもどこか納得いかないような雰囲気を纏った笑みで頷いてくれた。
二人の場を収めるのも一苦労だな、と思いながら、僕は二人を伴ってリビングへと移動する。リビングには、オオカミモードでくつろぐアルフさんとパジャマに着替えてテレビを見ている母さんの姿があった。どうやら、お風呂は母さんと入ったらしい。どうやら、すぐにでもお風呂には入れるらしく、次は僕たちの順番なのだが、どちらが入るかなのはちゃんと話そうと思ったところで、なのはちゃんから爆弾発言が落とされる。
「あ、あの……ショウくんっ!!」
「なに? なのはちゃん」
彼女は、意を決したような表情をしていた。何かそんなに大切な事があったかな? と考えたが、特になかった。そして、彼女が口を開く。
「い、一緒に入ろうっ!」
ピキッと間違いなく僕の表情が凍った事がわかった。
いくらなんでもそれはないだろう、と。しかし、確かに四月のときにアースラの中で、約束したような気もする。なのはちゃんは、どこか期待したような、不安を浮かべたような表情をしていた。僕が今まで女の子と一緒にお風呂に入ったことあるの
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