空白期(無印〜A's)
第二十五話 裏 (アリサ、すずか、なのは)
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る。そして、翔太とすずかと離れてしまったら、自分はきっと一人になってしまうだろう。翔太やすずかのような自分を受け入れてくれる稀有な友人が隣のクラスにも偶然にもいるなんて都合がよすぎる。
だからこそ、アリサは点数が落ちないように必死に頑張っているのだが。
だから、アリサはアリシアの不安が分かったし、自分と同じような存在である以上、力になってあげたいとも思った。よって、アリサがその言葉を口にしたのは無意識でもあり、必然でもあるのだろう。
「よしっ! そんなにショウと同じクラスになりたいなら、あたしが勉強を教えてあげるわっ!」
翔太の妹であるというのであれば、アリサにとっても他人事ではない。なにより、自分と同じような容姿をしているアリシアが不安そうにしているのだ。どうしても自分と被ってしまい、それじゃ、頑張って、と放っておくことなんてできるはずもない。
それに、アリサの提案にすずかも賛成したのだ。おそらく、明日からは、アリサとすずかでアリシアを鍛える日々が始まるだろう。場所はもちろん、蔵元家であるはずだ。ならば、そこに翔太がいることも間違いではないだろう。ならば、翔太とアリサ、すずかの三人が同じ場所にいる時間も増えるはずだ。一緒にいる時間が増えれば、きっと心の隅で感じている不安も違和感もきっと払拭して、楽しいものにしてくるはずだ。
アリシアにどうやって、勉強を教えようか、と話し合っている中、アリサは明日からの勉強会に胸を躍らせるのだった。
◇ ◇ ◇
月村すずかは、今の自分の感情をもてあましていた。
姉の忍の助言によって自らの気持ちを自覚したのはいい。だが、しかしながら、そこからどうやって動いて良いのか分からなかった。姉は、『恋は戦争だ』なんていっていたが、アリサと殴りあうなんて訳にはいかない。そんなことをすれば、恋なんて感情は木っ端微塵に消し飛んでしまうだろう。
分からないならば、聞けばいい。確かにすずかは、己の持つ血のせいで他人と積極的に交流しようとは思わなかったため、友人はそれでこそ、翔太とアリサぐらいしかいないが、恋に関しては、友人よりも頼りになる存在がいる。最近、恭也と交際を始めた忍だ。いわば、彼女は戦争の勝者なのだ。ならば、どうすればいいのかなんて、簡単に分かるだろう。
そう軽く考えて、忍にどうすればいいのか、聞いたすずかは、少しだけそのことを後悔した。
確かに忍の話はすずかにとって必要ないろはが揃っているだろう。しかし、間に入る忍の彼氏である恭也の自慢話というか、彼がいかにカッコイイのかということを語る時間をもう少しだけ短くしてくれれば、すずかにとってすべてが有意義な時間になっただろう。ちなみに、忍の話の後、疲れた様子を見せていたら、フ
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