空白期(無印〜A's)
第二十五話 裏 (アリサ、すずか、なのは)
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めようと問い詰めるような強い口調で言葉を口にしてしまう。
「ちょっと! ショウ、どっかに転校するのっ!?」
「ショウくん、転校するのっ!?」
アリサの視界には入っていなかったが、それはすずかも一緒だったのかもしれない。アリサと同様に慌てた様子で翔太に詰め寄っていた。
しかし、そんな二人の心配を余所に翔太は、最初は、どうしてアリサとすずかが驚いているのか分からなかったのか、きょとんと呆けた顔をしていたが、やがて状況を理解したのか、笑いをかみ殺していた。
―――こっちは、こんなに不安なのにどうして笑えるのよっ!
「何笑ってるのよっ!」
翔太が笑っている事が癇に障ったアリサは怒りをぶちまけるように怒鳴る。しかし、そこまでやってようやく分かったのか翔太は、申し訳なさそうな顔をして、ようやく口を開いた。
「ご、ごめん。違うんだ。これは、僕のじゃないんだよ。これは、僕の妹の編入用の書類だよ」
先ほどからショウの言葉は不可解なものばかりだ、と翔太の言葉を理解したアリサは思った。確かにアリサは、翔太の弟である秋人の存在は知っている。首が座ったから、と家まで見に行った事もあるぐらいだ。しかし、妹の存在は知らない。いったい全体どういうことなんだろう? と翔太と問い詰めてみると、翔太は軽く考えた後で、妙案を思いついたといわんばかりに顔を輝かせて口を開いた。
「ねえ、今から僕の家に来ない?」
説明もなしにどういうことだろうか? と思ったアリサだったが、説明は行く途中でおこない、実際に見たほうが早いという結論に達したため、アリサとすずかは、翔太の提案どおりに翔太の家に向かうことにした。
翔太の家へと行く途中、アリサは翔太の口から見知らぬ妹について説明を受けた。しかしながら、いくら親友の翔太の口から利かされているとはいえ、内容は突拍子もないものだ。そこらへんの小説でも読んだほうがいいんじゃないだろうか、と思えるほどだ。しかし、翔太が意味もなく嘘を言うとは思えない。信じられないが、信じるしかないという感じである。
そして、翔太が言葉が真実だったというのは、翔太の家について、彼の家にお邪魔したときに飛び込んできた少女を見たときに分かった。
翔太が、ただいま、と口にするとほぼ同時に駆け込んでくる少女。彼女は、そのまま、まるでタックルの練習でもしているかのように翔太に突撃する。少女の姿を見た瞬間、アリサは、その姿に目を奪われた。彼女が可愛いから―――確かに世間一般からしてみれば、彼女は十二分に美少女に分類されるだろうが―――ではない。あまりに似ていたからだ。自分に。
長い金髪をツインテールにして靡かせながら、黄色人種よりも白い手を伸ばして翔太に抱きつく彼女は、アリサと同じだということを
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