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リリカルってなんですか?
空白期(無印〜A's)
第ニ十五話
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んだった。

「あれ? 待っててくれたの?」

 今日の話の流れが分からなかったため、今日は誰とも約束せずに帰りのショートホームルームが終わった後に直接、職員室へと赴いていた。だから、今日はこの後、一人で帰るだけだと思っていたのだが、どうやら予定とは違った方向になりそうだった。

「うん、だって、ショウくん誰とも約束していなかったでしょ? だから、一緒に帰られるかな? って、思ったから」

 僕の問いに答えてくれたのはすずかちゃんだった。

 すずかちゃんは、最近、変わったように見える。いや、容姿や性格ではなく、態度が。ちょっと前までは、僕とアリサちゃんとすずかちゃんが集まるとアリサちゃんが中心になって話を進める事が多かったのだが、今ではすずかちゃんが中心になる事も半々ぐらいだ。さらに、休日などに図書館や雑貨屋へ行こうと誘われる。これが、アリサちゃんも一緒なら問題はないのだが、僕と二人だけの場合がほとんどだ。

 これらの態度が変わったことや今までを加味すると、どうやらすずかちゃんが、僕に吸血鬼の事がバレて、浮かれているかもしれない、なんて考えは木っ端微塵に砕けたと考えていいだろう。アリサちゃんと話してると明らかに間に入るような行動も見て取れる。ここまで露骨に行動されて、気づかないほど鈍感ではないつもりだ。

 自惚れでもなければ、多分、すずかちゃんは僕のことを好きなのだろう。初恋だと考えてもいいのだろうか。しかしながら、思い出せば、たぶん、なのはちゃんも似たような想いを抱いていると考えると、僕のどこがいいんだろうか? と思ってしまう。

 それはともかく、すずかちゃんへの対策は、なのはちゃんと同じく現状維持だ。なのはちゃんのときも考えたが、普通は僕たちの年代では『恋』を認識することはきわめて難しい。『好き』という言葉を簡単に口に出せる年代だ。もう少し年上になれば、簡単に口に出せるほど軽い言葉ではなくなるだろう。

 さて、ここで奇妙なのは、すずかちゃんの行動だ。なのはちゃんも同じような想いを抱いているはず―――これで間違いだったら恥ずかしいことこの上ないが―――なのに、すずかちゃんは、まるで中学生や高校生のような態度を取ってくる。僕たちの年代であれば、自分で自己完結するか、あるいは、友達に話すぐらいで、交際という段階まで持っていくことは稀だ。たとえ、あったとしても、言い方は悪いが、『ごっこ』になってしまうことは仕方ないだろう。そこまで、心も体も成長していないのだから。

 ならば、すずかちゃんとなのはちゃんの態度が異なるのはなぜか? たぶん、すずかちゃんに入れ知恵をした人間がいるはずだ。そして、僕はその人間に心当たりがある。すずかちゃんの姉―――忍さんだ。すずかちゃんの家にお茶会に行ったとき、本人から直接聞いた話だが
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