空白期(無印〜A's)
第ニ十五話
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の落ち込みは、最底辺まで落ちてしまうのではないだろうか、と考えた僕は正直に言うことにした。
「そう、だね。確かに同じクラスにはなれないかもしれないね」
でも、学校にいけるからいいじゃないか、と口にしようと思ったのだが、その言葉を口に出すことはできず、アリシアちゃんの声に遮られることになった。
「そんな………お兄ちゃんと一緒じゃないと意味がないのに………お兄ちゃんと一緒じゃなきゃ……」
その声は小さい声だったにも関わらず、全員に聞こえてしまうほど暗く、重く、沈んだ声だった。先ほどまでの喜びで溢れていたリビングとは打って変わって今度は、アリシアちゃんの空気に引きずられるように沈んだ空気が蔓延しそうになる。
「で、でも、クラスは、成績順だから、アリシアちゃんの編入試験の成績によっては、同じクラスになれるよ」
暗くなった雰囲気を払拭するかのようにすずかちゃんのフォロー。確かに、他の小学校とは違って、僕たちの学校は、成績順のクラス編成になっている。公にはされていないものの、公然の秘密というやつである。だから、すずかちゃんの言うとおり、成績によっては、同じクラスにはなれるのだ。
それは、僕も考えていた。しかし、僕と同じクラスになるためには、平均で九十点は欲しいところである。算数と理科は大丈夫だろう。しかし、国語と社会をそこまで持っていくことは難しいと僕は思う。だから、僕はたぶん、なのはちゃんと同じクラスである隣の第二学級になると思っていた。もしも、アリシアちゃんがそのクラスになったときは、なのはちゃんと友達になってくれるかも、と考えていたのも事実だ。
「よしっ! そんなにショウと同じクラスになりたいなら、あたしが勉強を教えてあげるわっ!」
「えっ!?」
少し驚いた様子のアリシアちゃん。当たり前だ。つい先ほどまで他人だったアリサちゃんからそんな言葉が出れば、驚きもする。しかし、アリサちゃんは、別の方向に取ったらしい。
「なによ、信じられないっていうの? あたしは、これでもショウの次の二番手の成績よ」
といっても、本当に僅差だ。小学校の問題では、四教科で、一問か二問程度の差しかないのが困る。小学校で気が抜けない事態になろうとは、予想もしていなかった。これが、塾のハイレベルになると流石に余裕ができてくるのだが。
「だったら、私もお手伝いしようかな」
次に名乗りを上げたのは、すずかちゃんだ。すずかちゃんも第一学級に安定してなれるほどに成績はいい。おそらく十手の中には入っているだろう。すずかちゃんはアリシアちゃんと逆で算数が少しだけ苦手なのだ。それさえ治せば、一気に順位が上がることは間違いない。
「うん、それじゃ、アリシアちゃん、お願いしてみたら?」
どうしよう? とい
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