空白期(無印〜A's)
第二十四話 裏 (エイミィ、ユーノ、アリサ、すずか、なのは)
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られる相手は一人だけだった。
その人物を思いつくと同時にエイミィが勝手に通話を通したのだろう。『Sound Only』という文字と共にこの一ヶ月で聞きなれた声がそこから聞こえてきた。
『あ、ユーノくん? 今日って時間あるかな?』
今日は、昨日読んでいた時代よりも新しい時代の本を読もうと思っていたのだが、それはどうやら後回しになりそうだった。
「うん、大丈夫だよ。ショウ」
通話の相手は、この一ヶ月で新しくできた友人であり、彼の命の恩人であり、魔法の弟子であり、一ヶ月の同居人でもある蔵元翔太だった。
ユーノにとって蔵元翔太とは、命の恩人である。最初の呼び声に応えてくれたという意味で。もしも、あの時、翔太が応えてくれなければ、ユーノはあのジュエルシードの暴走体によってミンチにされていた可能性が高い。もちろん、直接戦ってくれたという意味では高町なのはも命の恩人かもしれないが、彼女はどちらかというと、ユーノというよりも翔太の呼び声に応えたという意味合いのほうが強いだろう。故に翔太は、ユーノにとって命の恩人なのだ。
もっとも、それだけではなく、時空管理局が来るまでの間、居候させてもらったり、魔法を教えていたりするので、単なる命の恩人とは一線を画しているとは思うのだが。
さて、そんな翔太が一体何の用事なのだろうか? と。ジュエルシード事件が解決してから一週間、彼とは特に交流はなかったはずだ。彼に連絡先は教えていたが。そんなことを考えているユーノに答えるように笑顔のまま翔太が口を開いた。
『そっか。じゃあ、サッカーに行かない?』
「はい?」
そして、そのまま翔太に連れられて、気づけば翔太が通うという聖祥大付属小学校のグラウンドに立っていた。
グラウンドには総勢二十人ぐらいの男女が入り混じっていた。サッカーというスポーツの特性上、男の子のほうが多いが、ちらほらと女の子の姿も見える。その背丈もまちまちで、年齢層はかなりあるようだ。
その中で、ユーノは翔太と一緒のチームに所属しながら、センターラインの近くに立っていた。
―――えっと、ボールをゴールに入れればいいんだっけ?
事前に翔太に説明されたルールを反芻する。それ以外にも正式ではないルールがいくつかあり、例えば、転んだら、その場で一旦ゲームをとめる、とかスライディングはなし、などといったルールだ。スポーツが主体の遊びとはいえ、しょせん、遊びなのだ。細かいルールには縛られないということだろう。
そんな風になれないサッカーという遊びに四苦八苦しながらも何とか慣れてきたユーノ。突然、翔太が連れてきた外国人風の容姿に驚いていた子ども達も、遊んでいる間にそのことはすっかりと忘れてしまっていたようだ。チームメイトは気軽に
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