空白期(無印〜A's)
第二十四話 裏 (エイミィ、ユーノ、アリサ、すずか、なのは)
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殆どを管制塔ですごすため不思議に思ったのだ。
「ああ、ちょっとね。翔太くんとなのはさんが、魔法を教えて欲しいってことだから、少し指導にね」
「へぇ〜、そうなんだ」
素直に感心するように言うエイミィ。執務官である彼が指導というのは、珍しい。時空管理局では、指導する立場にある職員だっているが、執務官はその類ではないからだ。もっとも、翔太やなのはは、管理外世界の人間で、しかも初心者なので、誰が教えても一緒なのかもしれないが。
「ああ、教えているのは基礎だけど、僕も復習になるからね」
そういえば、彼はジュエルシードの事件が解決してから、自分の魔法の腕を磨くことに注力していたように思える。よほど、事件で自分が何もできなかった事が悔しいのだろう。
確かに何事においても基礎は大事だという。しかも、教える―――自分が知っていることを伝えるというのは難しいものだ。そのためには理解している必要があるのだから。そして、魔法の知識の理解は、自分を理解するということで役立つ。つまり、彼らに教えることでクロノに損はないのだ。
もっとも、それじゃ、と手を上げて管制塔を去るクロノの足取りが軽い理由はそれだけではなさそうだが。
「やっぱり、年下の子を教えるのは面白いのかな?」
クロノは、彼の両親による魔力と彼の師匠によるもので、執務官という地位に十代の初めでたどり着いた天才だ。当然、周りの年齢は彼よりも年上が大多数を占める。後輩も同輩も先輩もみんな年上。そんな中で、今回の翔太やなのはのことは、年下の後輩ができたようで、彼にもはじめての経験であり、もしかしたら、それが楽しいのかもしれない。
「もしも、クロノくんに弟か妹がいて、『お兄ちゃん』って呼ばれたらどんな顔するのかな?」
あのクールな顔をデレッと崩すことはないだろうが、少なくとも恥ずかしそうな顔をするのではないか、と思うと自然と苦笑が浮かんでくるエイミィだった。
◇ ◇ ◇
「分かりました。それでは、失礼します」
プチンという音を残して真っ黒になったモニタを前にしてふぅ、とユーノ・スクライアは大きく息を吐いた。
今まで、ユーノは、スクライア一族の長老と次元通信を使って会話していたのだ。なにせ、一応、長老には話をつけて出てきたとは、いえ、ここまで大事になるとは思っておらず、次元震の影響で今まで報告できなかったからだ。
詳細な報告はスクライア一族に戻ってからになるだろうが、それでも、ジュエルシードが回収できたこと、無事であることを伝える事ができたユーノは、肩の荷を下ろしたような気分だった。
まさか、こんな大事になるとは思っていなかったユーノとしては、とりあえず、一族に心配と迷惑をかけることがなくなっ
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