空白期(無印〜A's)
第二十四話 裏 (エイミィ、ユーノ、アリサ、すずか、なのは)
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と机の上にジュースを持ってくる翔太。少し離れただけだが、それでもなのはとしては肩の温もりが消えるのは寂しかった。
しかしながら、これ以上、邪魔は入ってこないだろう、と思いながら翔太の隣で勉強を続けるなのは。勉強のペースは、なのはからしてみればゆっくりなものだった。本当ならもっと早く解くことだってできただろう。しかしながら、それは至福の時間を短くする自殺行為でしかない。この時間を一秒でも長く感じたいなのはが早々と問題を解くはずがないのだ。
なのはが、翔太の温もりや近くにいる気配やらを堪能し、邪魔もこれ以上入らないだろう、と思っていた。そう、そう思っていた矢先だった。二度あることは三度あるといわんばかりにガチャっ、となのはの部屋のドアノブが回ったのは。
「なのは、翔太くんが来てるって聞いたけど」
入ってきたのは姉でも兄でもなく母親の桃子だった。
「あ、お邪魔してます」
「いらっしゃい、翔太くん」
とても三人の子どもがいるような年齢に見えないような若さのまま笑う桃子。翔太からは背後になるためわからないが、なんで邪魔するの、といわんばかりになのはは桃子を見ていた。それが分かったのだろうか、桃子は早々に用件を切り出す。
「翔太くん、晩御飯、食べていかない?」
「え? でも」
親戚でもない家の晩御飯を一緒にするというのは、確かにハードルが高いかもしれない。しかしながら、なのはにとっては、これは翔太と長くいるための絶好のチャンスだった。
「ショウくん、食べて行ってよ!」
「う〜ん」
しばらく考え込んでいたようだったが、なのはが押すこともあったのだろうか。それに桃子が再三誘ったのが、原因かもしれない。大人からこんなにお願いされては無闇に断われないだろうから。もっとも、なのはにとってはどっちでもいいことで、大事なことは翔太がなのはの家の晩御飯を一緒にすることだった。
桃子が出て行って以降は、邪魔も入らず、なのはは翔太と一緒に宿題を片付ける事ができた。本来の宿題以上に週明けからの予習も含めてだ。本当は宿題ではないのだが、翔太の近くにいたいなのはが少しでも一緒にいる時間を長くするための苦肉の策だった。
宿題が終わり、晩御飯もなのはの隣で食べた翔太。翔太が隣にいる時間はなのはにとってすべてが至福の時間だ。本当に、このままなのはの家で暮らしてくれないかな? と思うほどには。しかしながら、翔太の家は別にある。つまり、至福の時間にも終わりがあるということである。
晩御飯を食べた翔太は、一時間程度、恭也や士郎、美由希、桃子を交えながら話した後、迎えに来た翔太の父親とアリシアという黒い敵と一緒に帰ってしまった。なのはは、それを翔太の姿が見えなくなるまで見送るしかなかった。
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