空白期(無印〜A's)
第二十四話 裏 (エイミィ、ユーノ、アリサ、すずか、なのは)
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そんな風に残念がるなのはだが、しかしながら、食べ終われば、また同じ状況になるのだから、と自分に言い聞かせて渋々ながら椅子から降りて、カーペットの上に置かれたお盆の周りに座る。いただきます、という声と共にシュークリームに手を伸ばす翔太となのは。
なのはからしてみれば、翠屋のシュークリームは食べ飽きたというほどに食べてきたシュークリームだったが、翔太からしてみれば、違ったらしい。おいしい、と言いながら顔を綻ばせていた。翔太が喜んでくれたなら、なのはに文句はない。なのはにとっての至福のときを邪魔したのは許せないが、翔太が喜んでくれたので、良しとすることにした。
さて、たった一つのシュークリームとコップ一杯のオレンジジュースだ。話しながら食べたとしても三十分もあれば食べ終わってしまう。それからは、またテキストの前に座った。週末で宿題がたくさん出ていた事が幸いした。まだ終わる気配がなかったからだ。
また、先ほどと同じように座る。横を向けば、少し動けば翔太の頬となのはの頬が近づきそうな距離の翔太の顔。そんな翔太の頬にクリームがついていることに気づいた。おそらく先ほどのシュークリームだろう。
「ショウくん、動かないでね」
「え?」
なのはの声に反応して翔太が動きそうだったので、先手を取って手を動かす。頬のクリームを掠め取るように手を動かし、翔太の頬についていたクリームを拭い取ると、指についたクリームをそのまま自分の口へと放り込んだ。
「え? あ、え?」
「どうしたの?」
翔太の味でもするかな? と思ったが、残念なことに味は変わらずクリームの味だった。それよりも、口をパクパクと金魚のように動かしている翔太のほうが気になる。彼の顔に浮かんでいるのは羞恥の表情。照れの表情は見た事があるが、なのはも見た事がない珍しいものだった。
「い、いや、なんでもないよ。ほ、ほら、次の問題をしよう」
少しだけ翔太の態度が気になったが、それでも翔太の言うとおり、次の問題に目を落とした。最初のうちのは挙動不審だったが、すぐにもとの翔太の態度に戻っていた。肩と肩が触れ合うほどの距離にいる翔太。なのはの至福の時間が戻ってきた。
そう思っていたのだが―――
「なのは、ジュースのお代わり持ってきたんだが」
今度は、兄だった。ジュースが入っているのであろうパックを持っている。
また、邪魔してっ! と姉よりもきつく睨みつけるが、やはり御神の剣士なだけあって、なのはの視線にピクリともしなかった。しかし、それでも邪魔に思われていることだけは分かったのか、はいはい、と言いながらお盆の上においてった空になったコップにジュースを入れるとそれだけで、恭也は去っていった。
せっかく入れてくれたのだから、
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