空白期(無印〜A's)
第二十四話 裏 (エイミィ、ユーノ、アリサ、すずか、なのは)
[1/17]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
エイミィ・リミエッタはアースラの管制塔にある自分の席で、カタカタと指自身に意思のあるような手つきでコンソールを叩いていた。
現在、エイミィが乗船している次元航行艦アースラは、第九十七管理外世界―――通称、地球から離れられずにいた。確かに、アースラの目的であるジュエルシードの回収は完了した。ジュエルシードを悪用しようとしたプレシア・テスタロッサも逮捕する事ができた。アースラの任務自体は完了しているといってもいいだろう。
それが、なぜ、アースラが地球の付近に停泊する必要があるのか。それは、プレシアが時の庭園で起こした小規模の次元震が関係していた。次元航行艦とは、文字通り次元航路を渡るための船だ。元来、次元航路というのは、非常に不安定なもので、次元航行艦そのものには、非常に高度な技術が使われている。しかしながら、その技術を持ってしても、次元震が起きた後の次元航路を航海するなんて自殺行為を行うことはできない。
安全を考えるならば、次元航路が安定するまで待ったほうが無難だ。それに、次元航路は渡れなくても次元通信そのものは行う事ができるため―――回線速度は遅いが―――仕事には殆ど支障がなく、時空管理局にも連絡がいっている。その結果、小規模ではあるが、次元震がおきたことを鑑みて、経過報告と安全を考慮して、一ヶ月の停泊が命じられたのだ。
もちろん、地球の外部に存在してるとはいえ、魔法によって地球側からは確認できないようになっている。見つかれば大変なことになるのは目に見えているからだ。
そんなわけで、今のエイミィは降って湧いたような休みを謳歌―――できるはずもなかった。事件が解決して、そのまま一ヶ月の停泊が命じられたのだ。やることはないように思えるが、実際は、解決した事件の報告書やら、調書の確認、および証拠の管理と一ヶ月分の仕事は残っている。
いつもなら、この忙しさは、事件の中で散って逝った戦友たちの悲しみを忘れるためのものだが、今回は、負傷者のみで死者がゼロというA級ロストロギア事件としては史上初といっていいほどの快挙のため、今は、この航海が終わった後のリフレッシュ休暇を目前にした最後の山というところだった。
―――まあ、それもこれも、あの子たちの協力のおかげかな?
ちょうど事件の資料が今回の事件に関わった民間協力者のところに差し掛かったためか、エイミィの脳裏に二人の少年少女が映る。今回の事件の最功労者といってもいい二人のことを。
「何をしているんだ?」
「あ、クロノくん」
不意に背後に現れた影を不審に思うこともなく、その声に聞き覚えのあったエイミィは、その正体を悟ると振り向きもせずに次々に文字が現れる画面に視線を合わせたままクロノの問いに答える。
「今は、事件の資料を作
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ