空白期(無印〜A's)
第二十四話 (蔵元家、幼馴染、男友人、担任)
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イトの誰よりもアリサを気にしたところが、気に食わないんじゃないだろうか、と思う。
―――バニングスさん綺麗だもんね。
別にその感情に含んだところはないだろう。女友達としても、自分よりも綺麗な、可愛い女の子を気にされては立つ瀬がない、やるせないという感情だ。しかし、桃香が思うに夏希はアリサと並び立っても良いんじゃないか、と思う。顔立ちは整っているし、ストレートの長い黒髪はポニーテイルにされており、活発な性格の彼女には似合っている。
それに対して、自分は普通だ。可愛いとはよく言われるが、それは桃香が平均身長よりも低く、小柄であるためだろう。これで髪でも長ければ、話は別だろうが、若干垂れ目ぎみな目とショートカットの髪型がそう感じさせるのだろう。身長が欲しいな、というな彼女の切実な願いだった。
「ショウくんだったら、近いうちに私達と一緒に食べるよ」
不満そうに言う夏希をなだめるように桃香が言う。今日は確かにアリサたちと一緒に食べているが、彼は一つのグループで一緒に食べることは、ないといっていい。渡り鳥のように日によって食べる相手を変えるのだから。もっとも、一年生の頃は、隔てなく誰かと食べていたような気がするが、三年生になって、少しだけ変わったのか、特定のグループとは一緒に食べないことも多くなってきていた。彼女からしてみれば、幼馴染と一緒に昼食が食べれる機会が増えていいことだが。最近は、もう一人の男の子の幼馴染も一緒に食べる事がなくなっているし。
―――あ、今日の卵焼きは会心のできだ。
そうね、と納得したように頷いた夏希を余所に桃香は、今日の卵焼きのできに満足しながら、夏希と同じように頷くのだった。
◇ ◇ ◇
玖珂隼人は、机の上に置かれた将棋版を見ながら唸っていた。少し顔を上げると、隼人と同じぐらいの年齢である少年が、うっすらと笑みを浮かべてこちらを見ていた。それだけで、彼―――蔵元翔太が、こちらの手を読んでいることを知らせるには十分だった。
「俺の負けだ」
「ありがとうございました」
負けを認めてペコリと頭を下げると、相手の翔太もペコリと頭を下げた。
じゃらじゃら、と磁石でくっつくタイプの将棋版をもう一勝負とばかりに並べながら、隼人は、一年生の頃から友人とも言える立場であり、最近急激に将棋が強くなってきた蔵元翔太について考えた。
友人と呼んでいいのか分からないが、目の前の同級生は隼人にとって不思議な人だった。頭がいいのは分かっている。しかし、それを鼻にかけることはなく、むしろ、お前、天才だな、といわれると微妙な顔をする。もしかしたら、そういう風に言われるのがあまり好きではないのかもしれない。
さらに、翔太は、クラス内の厄介ごとに顔
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