空白期(無印〜A's)
第二十四話 (蔵元家、幼馴染、男友人、担任)
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、名前が挙がってきたのが、特待生として入学した天才と称される蔵元翔太だ。
彼の手引きでグループに属するようになっている子が多かった。しかも、適当に突っ込んだわけではなく、趣味や性格を考慮されていた。確かに、子どものほうが警戒心は薄く、一緒にいる時間が長いかもしれないが、小学校一年生の男の子にそれが可能だろうか。いくら、天才といわれる子でもだ。
興味を持った京子は、蔵元翔太と話してみたが、そこでも彼の異質さは拭いきれないものになっていた。彼と話しているとまるで、同年代の後輩と話している気分になる。敬語を使っているとしても、頭の回転や気の利きかたは、小学一年生の子どもとはとてもいえなかった。
結局、どうしてだろう? と原因を探っているうちにクラスの殆どのグループは翔太によって掌握されたに近かった。特にグループに斡旋して、仲間に入れたというのが利いたようで、それから京子が考えたように各グループのリーダーと交流を持ったことが決定的だった。
前者は、グループを斡旋したことによる恩があり、後者は頭を抑え、グループ全体に翔太への影響力を持たせることができる。大人であれば、ここに利害関係やら関係してくるが、翔太に関して言えば、勉強に関して右に出るものはいないのだ。その点でも利害は一致するだろう。
さて、クラスのグループを殆ど掌握したに等しい翔太を学級委員長にしない手はない、とばかりに翔太を学級委員に任命したのはいいのだが、彼は使い勝手がよすぎた。
宿題の回収を頼めば、名簿つきで誰が提出していて、提出していないのか分かるし、提出していない人に関してもいつまでに出すという期限が書いてある。彼は気遣いができる人間だった。他の担任たちは、宿題の提出に関しても四苦八苦しているというのに。
しかしながら、そうなるとやはり違和感は強くなる。頭がいい奴がいてラッキーで終わるほど能天気な頭を京子はしていない。だが、疑問を感じようとも蔵元翔太は、明らかに小学生で、そこに疑問の余地はない。だからこそ、ここまでできる翔太に違和感を感じるのだが。
それに気になるのは彼の性格だ。子どもといえば、どこか自分の我が出る部分が必ずあるはずなのだ。だが、彼にはそれがない。ルールの上に自分を置いているというべきだろうか。やるべきことを淡々とやっているという感じだ。だからこそ、サッカー少年との諍いに繋がるのだ。あれは、あれで翔太にとってはいい経験だろう、と京子は思っているが。
それに、三年生になって、彼らも心が成長してきたのか反骨精神も生まれてきたようで、翔太が掌握していたグループのいくつかに反翔太派も生まれているようだ。それに拍車をかけたのは四月の一ヶ月間、彼が隣のクラスの高町なのはと一緒に行動したためだろう。
グループのいくつかは
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