空白期(無印〜A's)
第二十四話 (蔵元家、幼馴染、男友人、担任)
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小学校一年生。昨日までは、自由に幼稚園や保育園で遊んでいた子どもが一つの小さな教室に押し込められ、机を並べて、勉強するという突然の環境の変化に襲われる学年だ。普通の一年生なら、これからのことにワクワクしていたり、突然の環境の変化に不安げになっていたりする。そんな中、一人、落ち着いた様子を見せていたのが、蔵元翔太だった。
彼の異質さは、京子がクラス内を観察するたびに強くなっていった。
さて、小学校一年生の先ほども述べたように子どもだ。しかも、学校という立場に慣れていない。まず最初に覚えさせるのは机に長時間座って大人しくすることだ、というほどに。そして、もう一つ大切なことは、子どもに舐められないこと、そして、信頼させることだ。
子どもというのは、半ば本能で生きているようなもので、まだ成長途中だ。だから、大人の言うことを誰でも聞くとは限らない。むしろ、舐められて、格下に思われればクラスが立ち行かなくなる。彼らに舐められないための一番簡単な方法は、腕力的に勝っていることを教えることだが、これをやると放課後に彼らの両親から呼び出されたり、減給、最悪は懲戒になるため、決してできない。
つまり、雰囲気と態度でなんとかするしかないのだ。京子の女子高、女子大時代の姉御と呼ばれて送った青春時代が幸いしたのか、彼女がクラスの子どもから舐められることはなかった。
次は、彼らの信頼を得ることだ。この方法は、ある種簡単だ。休み時間や昼休みに彼らの傍にいるだけでいい。一緒に食事するのもいい。だが、それを全員にするのは無理だ。だからこそ、狙い撃ちにしなければならない。そう、子どもとはいえ、彼らとて人間だ。つまり、グループができている。近所だったり、同じ保育園、幼稚園だったり。
そして、グループである限りリーダーが必ず存在する。彼らを狙い打ちにすればいいのだ。
だから、京子は、彼らを観察することにした。誰が、どんなグループがあって、誰がリーダーかを見極めるために。それを見極めるには一週間ぐらいか、と考えていた京子だったが、予想外の事態に驚くことになる。
京子が確認したのは、大小さまざまなものだったのだが、それが整理されていくのだ。例えば、聖祥大付属小学校は公立ではないため、当然他の校区からやってきて、一人になっている例もある。何人か確認していた京子だったが、それがなくなっていくのだ。どこかのグループに属するようになっていた。
自然と? だが、それにしては二、三日でそういう風になるものだろうか? 若干謎だった。もしも、班作りなどやって、何かしら作業をやらせれば話は別かもしれないが、まだそんな段階ではない。ゆっくりと慣れていく段階なのだ。グループに属するほどのつながりは考えにくかった。
その原因を探っている最中で
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