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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
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地や財産など分け与えられるはずもなく、苦しい生活を送ってきた。そんな生活をどうにかする為には、軍務につき手柄を立てるしか無かったのだ。
だが軍に入ってからは、幸運に恵まれていたと言えるだろう。上司(ヴァリエール公爵)に恵まれた事も大きかったが、何より妻のシルフィアに出会えた事が、何にも代えがたい幸運だった。二人は軍の任務で出会い、互いめずらしい黒髪であった事と境遇が似ていた事が幸いし、トントン拍子に話が進み結婚する事となった。
二人の実力は非常に高かった。アズロックは、メインが土のスクウェアでサブが水のライン。妻のシルフィアは、メインが風のスクウェアでサブが水のラインである。順調に手柄を立て、今では子爵の位と領地を手に入れている。だがここまで来るにも、決して平坦な道では無かった。貴族達の僻みや嫉妬が原因で、数々の嫌がらせを受けて来た。無茶な任務を押し付けられて、死にかけたことも一度や二度では無い。ロマリアの糞坊主共は、苦労して貯めた貯えを奪うだけでは飽き足らず、異端審問にかけられ処刑されそうになった事もある。ヴァリエール公爵が助けてくれなければ、今頃生きてはいなかっただろう。
表向きはともかく、ハッキリ言ってドリュアス夫妻は始祖ブリミルを全く信じていなかった。それでも弱っている時は、何かにすがりつきたいと思うのが人情と言う物である。
「シルフィアは本当に大丈夫か? ああ……始祖ブリミルよ。どうか我が最愛の妻をお守りください。そして生まれ来る我が子を、無事ハルケギニアにお導きください。お願いいたします。どうか……どうか……始祖ブリミルよ。今度こそ……今度こそ……お願いいたします」
アズロックはそう口にしながら、必死に始祖ブリミルに祈った。その顔は今にも泣き出しそうだった。そう、彼が必死になるのも理由があっての事だ。ドリュアス夫妻は、以前に一度出産を経験している。生まれて来たのは女の子だった。しかしその赤子は、唯の一度も泣く事は無かった。今から4年ほど前の話だ。
アズロックが始祖に祈りをささげ始めて、どれほどの時間が経っただろう。数時間経っただろうか?いや、ひょっとしたら数分しか経っていないのかもしれない。少なくともアズロックにとって、その時間は無限にも等しい永い永い時間だった。
突然妻が居る扉の向こうが騒がしくなった。だが……産声が聞こえない。考えまいとしても、4年前の悪夢が思い出される。もう……嫌な予感しかしない。
「いやあぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!」
その時、妻の悲鳴が屋敷中に響いた。アズロックは、祈るような気持ちで扉を開け部屋に転がり込む。そこで見たのは生まれたばかりの赤ん坊を抱き、唯泣き叫ぶ血まみれの妻の姿だった。
(嘘だ!!嘘だ!!嘘だ!!嘘だ!!嘘だぁ!!嘘だぁ!!嘘だ
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