暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
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ナベリウスが答える間にも、光は融合した魂に集まって行く。
どうやら魂を肉体へ転送するようだ。
「また、会いましょう。名も亡き誰か」
「じゃ…………」
そして光が消え去った。
「何かあれ、ちょっとだけセリカ様に似てたね」
「……うん」
その場には冥き途の管理者だけが残された。
「この滅びゆく世界に、運命を変える一つの因子たれ」
融合した魂は、確かにその言葉を聞いた。
冥き途にて、魂が転送される少し前に時間は戻る。
とある館の廊下で、黒髪の男アズロック・ユーシス・ド・ドリュアスは、気ばかりが焦っていた。
先ほどから扉の前を行ったり来たり。近くにある椅子に腰かけたかと思えば立ち上がり、また扉の前をウロウロする。時々トイレに行っては、すぐ帰ってくる。とにかく落ちつかなかった。普段の彼は冷静沈着で、部下の信頼も厚い良い男なのだが、残念ながら今の彼はただの挙動不審な男である。
「まだか……まだ産まれんのか!!」
彼の口から何度も発せられている言葉である。
「旦那様!! 落ち着いてください!! 旦那様も奥様も使用人達も、出来ることは全て行いました。後は奥様を信じて待ちましょう」
老執事が彼を落ち着かせようと声をかける。
「オーギュスト。分かっている!!……分かってはいるが!!」
アズロックは老執事に詰め寄りそうになったが、それが無意味で理不尽な行動である事に気付き止まった。
そしてアズロックは「解っている」と、繰り返し口にしながら椅子に座る。だが5分と持たずに、またウロウロし始める。老執事オーギュストは、ため息を吐きながらも強く言う事が出来ない。もちろん、主である事もあるが普段の彼ならば、言うべき所では確りと諫言を言うタイプの人間である。アズロックは普段はそんな老執事を深く信頼しているし、諫言を深く受け止める度量が有るのだが、今だけは空の彼方へ吹き飛んでしまっていた。このままでは我慢できずに、扉を開けて中に突入しかねない勢いだ。
これは妻の出産に対して、もう何もできない事への無力感が原因だろう。そこで老執事は、自らの主を落ち着かせる為、“出来る事”を用意する事にした。
「旦那様。始祖ブリミルに祈りを奉げてはいかがでしょう? 加護を頂けるかもしれません」
老執事は平民出の為、始祖ブリミルなど全く信仰してなかったが、この出産が無事に済むのなら、これからは熱心に信仰しても良いと本気で思っていた。ハッキリと言わせてもらえば、“溺れる者は藁をもつかむ”と言う奴だ。
それは主であるアズロックも同様である。ドリュアス夫妻は、共に親が大貴族の妾の子供だった。当然、領
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