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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
プロローグ
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水がこぼれ落ちないようなもの。消滅しないのは、何かしらの加護や力を受けているからだと思うのだけど」

 リタはそこまで説明すると、首をひねり黙ってしまった。どうやら、本当に分からないようだ。

「ありがとう。リタ……様?」

「普通にリタで良いわよ。敬称はいらないわ」

 男がナベリウスを見ると、こちらも「いらない」と簡素に応えた。

「ありがとう。リタ。ナベリウス。……まあ、状況は何となく分かった。これから俺は如何すれば良いんだ?」

「本来ならこの門を通って、輪廻の輪に戻るの。その為には、今生の業を洗い流す必要が有る。でもその際に、業と一緒に加護や力も洗い流されてしまうから」

 リタが難しい顔をしている。目線でナベリウスに助けを求めたようだが、ナベリウスも顔を横に振っている。どうやら男の存在は、この二人にとって相当な珍事らしい。

「えーと、要するに俺は消滅するしかないと……」

「そうは言ってないけど。……魂を一度分解して再構築でもしない限り、消滅は避けられない。ちなみに、私たちでは絶対に無理よ。私達よりずっと高位の存在でないと。それこそ、主神クラスでもなければ……」

 見ず知らずの相手の為に、必死に手を考えてくれている二人に男は好感を持った。二人とも美人で可愛いし、男がそう感じるのも無理はないだろう。しかし、そんな二人を困らせているのが自分だと思うと、男は心苦しくなった。

「その主神クラスには、どこに行けば会えるのかな?」

 男の質問に、二人はそろって目を逸らした。男は二人の態度から半ば予想をしていたので、それほど大きなショックは受けなかった。

「……あっ!」

 その時ナベリウスが声をあげた。男とリタの視線がナベリウスに向かう。しかし、何か名案が浮かんだわけではないようだ。二人がナベリウスの視線を目で追うと、そこに薄らと光る玉のようなものが浮いていた。

「それ人の魂ね。ここで人の形がとれないのは、どうしてかしら?」

 リタがそう呟きながら近づき、手をかざして目を瞑り意識を集中する。

「どうやら、貴方のお仲間の様よ」

「どう言う事だ?」

 リタの呟きに、男は思わず聞き返した。

「この子は、肉体とのリンクがまだ切れていない。でも、この子も魂も貴方と同じように欠けてしまっている。消滅していないのは、貴方と同じ理由だと思う。それと人の形がとれないのは、生まれた直後にここに来てしまったから。纏うべき霊体の形を、認識出来ていない所為ね。恐らくだけど、産声もあげることが出来なかったのだと思う」

 リタの語気が若干弱くなる。この子か両親か、もしくは両方に同情したのだろうか?

「そうか、俺のお仲間なんだな。魂ってのは、触っても大丈夫なのか?」

「…
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