暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
プロローグ
[3/7]
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
水がこぼれ落ちないようなもの。消滅しないのは、何かしらの加護や力を受けているからだと思うのだけど」
リタはそこまで説明すると、首をひねり黙ってしまった。どうやら、本当に分からないようだ。
「ありがとう。リタ……様?」
「普通にリタで良いわよ。敬称はいらないわ」
男がナベリウスを見ると、こちらも「いらない」と簡素に応えた。
「ありがとう。リタ。ナベリウス。……まあ、状況は何となく分かった。これから俺は如何すれば良いんだ?」
「本来ならこの門を通って、輪廻の輪に戻るの。その為には、今生の業を洗い流す必要が有る。でもその際に、業と一緒に加護や力も洗い流されてしまうから」
リタが難しい顔をしている。目線でナベリウスに助けを求めたようだが、ナベリウスも顔を横に振っている。どうやら男の存在は、この二人にとって相当な珍事らしい。
「えーと、要するに俺は消滅するしかないと……」
「そうは言ってないけど。……魂を一度分解して再構築でもしない限り、消滅は避けられない。ちなみに、私たちでは絶対に無理よ。私達よりずっと高位の存在でないと。それこそ、主神クラスでもなければ……」
見ず知らずの相手の為に、必死に手を考えてくれている二人に男は好感を持った。二人とも美人で可愛いし、男がそう感じるのも無理はないだろう。しかし、そんな二人を困らせているのが自分だと思うと、男は心苦しくなった。
「その主神クラスには、どこに行けば会えるのかな?」
男の質問に、二人はそろって目を逸らした。男は二人の態度から半ば予想をしていたので、それほど大きなショックは受けなかった。
「……あっ!」
その時ナベリウスが声をあげた。男とリタの視線がナベリウスに向かう。しかし、何か名案が浮かんだわけではないようだ。二人がナベリウスの視線を目で追うと、そこに薄らと光る玉のようなものが浮いていた。
「それ人の魂ね。ここで人の形がとれないのは、どうしてかしら?」
リタがそう呟きながら近づき、手をかざして目を瞑り意識を集中する。
「どうやら、貴方のお仲間の様よ」
「どう言う事だ?」
リタの呟きに、男は思わず聞き返した。
「この子は、肉体とのリンクがまだ切れていない。でも、この子も魂も貴方と同じように欠けてしまっている。消滅していないのは、貴方と同じ理由だと思う。それと人の形がとれないのは、生まれた直後にここに来てしまったから。纏うべき霊体の形を、認識出来ていない所為ね。恐らくだけど、産声もあげることが出来なかったのだと思う」
リタの語気が若干弱くなる。この子か両親か、もしくは両方に同情したのだろうか?
「そうか、俺のお仲間なんだな。魂ってのは、触っても大丈夫なのか?」
「…
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ