第七十五話 アイザム、死す
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泣いていた。皆アイザムの気高い心に打たれていたのだ。
「御前と勝利を祝えなかっただけが心残りだが」
「それは今からだ!」
「その言葉、覚えておく」
彼は笑みを浮かべたままこう返した。
「では行く。そしてダイモスを倒して来る」
「頼む」
リヒテルも頷いた。
「アイザムよ、そなたの生き様見届けようぞ!」
そして遂にアイザムは出撃した。同時にロンド=ベルも戦場に到着した。
「一矢、やったみたいだな!」
豹馬が一矢に声をかける。
「無事で何よりだ」
健一も言う。皆戦いに備えて布陣している。
「いや、まだだ」
だが一矢はまだ気を許してはいなかった。前を見据えている。
「まだ来る。手強い男が」
「フッ、竜崎一矢よ」
赤い獣と人が合わさった様なマシンが出て来た。
「俺とリヒテルの話、聞こえていたようだな」
「盗み聞きするつもりはなかったがな」
一矢はこう返す。
「アイザムといったな」
「うむ」
「御前のことはわかった。だが俺も負けるわけにはいかない」
「それはこちらも同じことだ。俺が地球に来たのは半分が貴様を倒すことだったのだからな」
「では行くぞ、アイザムよ」
「来い、竜崎一矢」
二人は対峙した。その後ろでガルバーが展開する。
「付き合うぜ、一矢!」
「京四郎!」
「こうなりゃ御前の好きなようにしな!」
「お兄ちゃん、負けないで!」
「ナナ、済まない!」
ここでバーム軍も兵を出してきた。コブラーダもいた。
「アイザム、他の者は余に任せろ!」
その艦橋にはリヒテルがいた。
「リヒテル!」
「そなたの最後の戦い、余としても出来る限りことをしようぞ!」
「済まぬ、リヒテル!」
「礼はよい」
リヒテルも笑った。友に向ける最後の笑みだった。
「ロンド=ベルよ、余が相手だ!」
そしてロンド=ベルに指を突き付けた。
「来るがいい!ここで決着をつけてやる!」
「面白え!やってやるぜ!」
忍がそれを聞いて声をあげる。
「総員バーム軍に向かえ!」
ブライトも指示を下した。
「あのマシンは一矢に任せろ!我々は我々の敵を討つ!」
「そうこなくっちゃね!」
「さっすがブライト艦長、話がわかる!」
レッシィと沙羅がそれを聞いて言った。
「じゃあ行くよ!」
ヒメが前に出た。
「一矢さんの為に!」
「そして地球の為に!」
今バームと地球をかけた二つの戦いがはじまった。一矢とアイザムは死闘の中央で睨み合っていた。
「俺の挑戦を受けてくれたことにまずは礼を言おう」
アイザムは言った。
「竜崎一矢よ、噂通りの男だな」
「礼はいい」
だが一矢はあえてこう返した。
「俺も負けられないんだ。だからこそ俺もここにいる」
「そうか。ならば話が早いな」
アイザムは不敵に笑ってこう言った。
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