第七十五話 アイザム、死す
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「はい」
「あの子だって。最初はもっと感情がなかったそうよ」
「えっ、そうなの」
ユリカはそれを聞いて声をあげた。
「今よりも」
「ええ。まるでサボテンだったそうよ」
「うわ、何か凄そう」
「それがリリーナちゃんに会ってから変わったそうよ」
「リリーナさんに」
「あの娘も強いわよね」
「はい」
ルリはまた頷いた。
「そして優しい」
「リリーナさんも。そうですね」
「強いのと優しいのって反対みたいだけれど違うのよ」
ハルカは言う。
「強くないと優しくなれないの」
「両方ないと」
「人間ってのは駄目なのかも知れないわね。まあ素直じゃない娘もいるけれど」
「アスカさんですね」
「何でそこであたしが出て来るのよ」
アスカがモニターに出て来た。
「あっ、聴こえた?」
「聴こえてますって。何か最近何かっていうとあたしなんだから」
「それは御前に原因があるぞ」
「そうそう」
「あんた達が突っ込むとは思わなかったわね」
同じくモニターに出て来たウーヒェイとデュオにこう返す。
「まあダバさんみたいな人が突っ込むとは思えないし」
「俺が?」
ダバも出て来た。
「ダバさんもそうですよね」
ルリはダバの姿を認めてまた言った。
「強くて。優しくて」
「俺は人間ってのは心があるものだと思う」
ダバはルリに率直に述べた。
「強さも優しさも。その中の一つなんだ」
「その中の」
「ああ。どちらも必要なものだ」
「流石わかってるわね」
ハルカはそれを聞いて満足そうに頷いていた。
「苦労人だけはあるわ」
「いや、そんなに苦労しているわけじゃないけれど」
ダバはそれには照れを見せた。
「けれど。それがないとバルマーと同じだし」
「バルマーと」
「彼等には心が感じられないんだ」
「心が」
それに反応したのはルリだけではなかった。
タケルもであった。彼は顔色を変えていた。
「兄さんもそうだった」
「彼は。洗脳されていると思う」
「洗脳」
「間違いないな」
ライはそれに同意した。
「バルマーはいつもそれを使う。レビの時も」
「そうだったな」
レビ本人がそれに頷く。
「私も。かっては」
「それを考えると。バルマーは感情そのものを否定しているんだ」
ダバはさらに言う。
「ポセイダルもそうなんだ。彼等は人を兵器としか見ていない」
「それじゃあ兄さんも」
「そうだな。彼もまた」
ライが言う。
「利用されているだけだ。兵器としてな」
「クッ、バルマーめ」
「けれど今は落ち着くんだ」
ダバがタケルを窘める。
「さもないと。取り返しのつかないことになるから」
「ええ」
「レビの時もやれたんだ。あんただってやれるさ」
リュウセイがタケルに声をかけた。
「大丈夫だって。何かあれ
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