第七十四話 ファルコン壊滅の危機
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第七十四話 ファルコン壊滅の危機
暫くの間その動きを顰めていたバーム軍とその根拠地である海底城であるがここに来てにわかに動きが活発になろうとしていた。
今城の司令室のモニターに四人の男達が姿を見せていた。そしてリヒテルと話していた。
「ゼーラ星暗黒星団東の王デスモント」
まずは角を生やした覆面の男が名乗った。
「同じく南の王ダンケル博士」
続いて耳まで裂けた口の男が。
「西の王アシモフ将軍」
虫の様な覆面の男が。
「北のキラー将軍だ」
最後に豚に似た顔の男が名乗った。そして揃ってリヒテルに対して言う。
「我等こそが暗黒四天王だ」
「暗黒四天王、話には聞いている」
リヒテルはそれに応えた。
「暗黒星団を率いる四人の将達。まさかこの地球に来るとはな」
「一体何の用なのだ?」
リヒテルの側に控えていたバルバスが問う。
「この地球にまで」
「確か貴殿達はバルマーとも我々とも関係が無かった筈だが」
ライザも問う。彼等はその意図が読めないでいたのだ。
「協力を申し出ているのだ」
ダンケルが言った。
「協力を」
「そうだ。我々も地球に用がある」
デスモントが言った。
「そうした意味では我等と貴殿達は目的が同じ」
アシモフも口を開く。
「同盟を結びたいのだが」
「同盟か」
リヒテルはキラーの言葉を聞き終えたところでその鋭い目を動かせた。
「その申し出は有り難いが余はそれを受けるつもりはない」
「ほう」
「これは卑劣な地球人共に対するバルマーの正義の鉄槌。それに関して他の者の手を借りるつもりはない」
「では受けぬと言うのだな」
「申し出は有り難いが」
アシモフに答える。
「貴殿等が地球人共と戦いたいのならばそちらでやられるがよかろう。余は余の大義で地球人共を裁く」
「オルバン閣下の御考えでもか」
「何っ」
ダンケルの言葉に眉を動かせた。
「オルバン大元帥の」
「そうだ、我等はオルバン大元帥の依頼を受け加勢にし参ったのだ」
デズモンドも言った。
「まさか」
「疑うのなら直接聞けばよい」
「我等とて嘘を言うつもりはない」
「うむむ」
「そしえもう一つ伝えることがある」
彼等はまだ言った。
「ここに。新しい司令官が赴任する」
「新しい司令官だと」
「まさか」
バルバスとライザがそれを聞いて動揺を見せる。
「それは一体」
「俺だ」
「その声は」
リヒテルはその声に気付き後ろを振り返る。するとそこには彼の見知った顔があった。
黒く長い髪に細く整った顔。そして茶色の翼。リヒテルが最もよく知る男であった。
「久し振りだな、リヒテル」
その男は微笑んでリヒテルに応えた。
「アイザムよ、そなただったのか」
「そうだ」
アイザムは答えた。
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