第七十三話 バルマー司令官マーグ
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「まあシンジ君は元々優しいから」
「その優しさがよくなってきたのよ。何かこれからが楽しみだわ」
「じゃあちょっと俺達が教育してやっか」
「あんた達は却下」
出て来たドラグナーチームを引っ込めた。
「どうせ碌なこと教えないんだから」
「チェッ、ミサトさんは心配性だな」
「人間器が大きくないと駄目なのになあ」
「いいことも悪いことも知ってこそ人間。違うかな」
「あんた達はそのスチャラカさが駄目なのよ。シンジ君が変になったらどうするのよ」
「さて」
「俺達変じゃないし」
「まあ人生寄り道もあるさ」
「私も寄り道は一杯したけれどね」
ミサトもそれには頷くところがあった。
「けれど。あんた達はずっと寄り道でしょ」
「あら、きつい御言葉」
「何かショック」
「それでも我が道を行くのがドラグナーチームだけれどな」
「とにかくあんた達はいいの。今真剣な話なんだから」
「おやおや」
「いい男になれるかもね」
「ふふふ、乗り換えるの?」
「ば、馬鹿なこと言わないでよ」
リツコに言われてすぐに否定する。だがそれでも顔は少し赤くなっていた。
「十五も歳が離れてるのに」
「けれど最近若い子にばかり目がいってないかしら」
「それは気のせいよ」
否定しながらもやはり顔が赤い。
「そりゃこの部隊って若い子が多いけれど」
「タケル君にしろね」
「彼はまた特別よ」
顔が赤いのがなおっていた。そして真剣な顔で言う。
「だって。あんなに重いもの背負ってるんだから」
「重いものね」
「あの子にはそれを何とかして欲しいのよ」
心配する顔であった。
「そうでなきゃ・・・・・・やりきれないわよ」
「そうね。どうなるかはわからないけれど」
「ロンド=ベルは不可能を可能にできるのなら。今度もね」
「ええ」
「やってみせたいわ」
彼女達もまた以前のネルフにいた頃とは変わっていた。諦念とかそういったものはなくなっていた。僅かでも可能性があれば、なければ作ってでも、と考えるようになっていた。そうした意味でもう彼等はネルフではなくなっていたのであった。
「いい、皆」
ミサトはシンジ達に対してあらためて言った。
「今回はゴッドマーズのフォローに回って」
「はい」
「エントリープラグの関係でそうそう派手にはできないでしょうけれど頑張ってね」
「わかりました」
「何か今回の戦いこんな役回りが多いけれどね」
そうは言いながらもアスカも了承していた。
「やってやろうじゃない」
「そうね」
「ほなタケルさんの方へ行こか」
「うん」
彼等は動いた。そして構えを取った。
エヴァだけではなかった。他のマシン達もまた戦闘態勢に入っていた。そして敵を見据える。
「兄さん」
タケルはまた呟いた。
「あの時の兄さんは一体何
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