第七十三話 バルマー司令官マーグ
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くの観客が集まっていた。シルビーもその中にいた。
「噂通りのことはあるわ。いいじゃない」
「シルビーってロックが好きだったのか」
「ロックだけじゃないわよ、バラードとかも好きよ」
隣にいるヒビキにこう答える。
「けれど。ロックが好きなのは事実ね」
「そうなんだ」
「派手なのがね。特に」
「それじゃあバサラのはお気に入りだな」
「ええ」
ネックスの言葉に頷いた。
「やっぱり。名が知られるだけはあるわね」
「そうだな」
ダッカーもそれに同意する。
「バサラのギターはいい」
「ええ」
「一見派手でそれでいて無駄がない。音楽のセンスはやっぱり凄いものがあるな」
「そうね。最初いきなり出て来た時には何かと思ったけれど」
「あれには正直驚いたよ」
ヒビキが困った顔になった。
「見たこともない派手なマクロスが出て来て音楽を演奏しはじめるんだものな」
「彼らしいって言えば彼らしいけれど」
「その無茶苦茶さも売りってやつだな」
「そういえば」
シルビーはここでふと気付いた。
「何?」
「バサラ君って演奏の許可とってるのかしら」
「許可って?」
ヒビキが問う。
「ほら、こうしたコンサートとかって開くの艦長の許可が必要じゃない」
「そうだったね」
「許可得ているのかしら。若し得ていないと」
「こら、バサラ君」
「ほら」
未沙が甲板にやって来た。
「何してるの、こんなところで」
「俺の単独コンサートさ」
彼は悪びれずに未沙に返す。
「俺の歌を聴かせてやってるんだ。悪いけれど黙って聴いててくれよ」
「何言ってるのよ。許可は出してないわよ」
「やっぱり」
シルビーはそれを聞いて呟いた。
「無断で開いて。何考えてるのよ」
「許可なんていらねえぜ」
彼は未沙の話を全く聞こうとしない。
「俺の歌は何時でも何処でもお構いなしだぜ!そしてこれで戦争を終わらせてやる!」
「終わらせるのはいいから規則は守りなさい」
だが未沙も負けてはいない。厳しい顔で彼に言う。
「さもないと」
「独房でもやってやるぜ!」
「そういう問題じゃないの!」
「俺の歌は不滅だぜ!さあ次の曲だ!」
「人の話は聞きなさい!」
「俺の歌を聴けーーーーーーーーーーーーっ!」
さしもの未沙もバサラには勝てなかった。バサラはそのまま派手に演奏を続けた。後のことは知ったことではなかった。後はどうとでもなる、大切なのは今この瞬間だ、バサラはそう信じて歌っていたのであった。
「全くもう」
ミレーヌはそれを聞いてその可愛らしい頬を膨らまさせた。
「バサラ一人が滅茶苦茶やるからあたし達まで迷惑するじゃない」
「まあそう言うな」
レイがそんな彼女を宥める。
「バサラも後で叱られたことだしな」
「未沙さんにでしょ。けれど全然反省
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