第七十二話 クワサン=オリビー
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が変わる。
「何であんたがそんなこと知ってるのよ」
「だってこの前見えたから」
「えっ!?」
それを言われて急に顔が赤くなる。
「見えたって」
「俺に踵落とし入れた時だよ。はっきり見えたんだよ」
「嘘っ、あの時に」
さらに顔が赤くなる。
「何で見えたのよ」
「何でってそんなことしたら見えるのは当たり前だろ」
アラドは答えた。
「ばっちり見えたぜ。可愛いの履いてるんだなって」
「そんなこと言ったらあんたはどうなのよ」
顔を真っ赤にしたまま誤魔化しにかかる。
「そのトランクス。いつも履いてるトランクスと殆ど同じじゃない」
見ればアラドの水着は青いトランクスのものである。
「赤とか青とか。他にはないの!?」
「黒とか緑もあるぜ」
アラドは答えた。
「こればっかりじゃないけれどな」
「そんなこと言ってるんじゃないわよ」
ゼオラはさらに言う。
「全く。水着位他の柄にしなさいよ」
「それはゼオラもそうだろ」
「うっさいわね」
「大体何でトランクスのことまで知ってるんだよ」
「そ、それは」
まさか着替え中を見たことがあるとは言えなかった。
「それは・・・・・・」
顔はさらに赤くなる。もう林檎の様であった。
「それはあんたが」
「俺が?何?」
「な、何でもないわよ。とにかく」
ゼオラは無理矢理誤魔化しにかかった。
「私は熊が好きなのよ、放っておいてよ!」
無理矢理そう締め括った。彼等は彼等で遊んでいた。まだまだ子供ではあるが。
「何て言うか久し振りにのどかね」
「そうだな」
レッシィがアムに答えた。
「今まで何かと立て込んでいたからな。たまにはこうした時間もあっていい」
「そうね」
二人はワンピースであった。アムは白の、レッシィは黒と白のチェックの。レッシィの方が派手な水着であった。
「泳ぐのもプールばかりだったしね」
「あれはあれでいいが。やはり海で泳ぐのが一番だな」
「開放感があるしね」
「そうだな。それにこの日差しだ」
上を見上げて言う。
「たまには太陽の光を浴びるのも気持ちがいいな」
「そうね」
「あんた達よくそんなことが言えるわね」
「本当」
そんな二人にエクセレンとアクアが言った。
見れば二人は水着ではなかった。サングラスをかけ帽子を被り肌を白い大きなバスタオルで覆い日傘まで差していた。かなりの重装備であった。
「こんなに強い日差しなのに」
「お肌の敵よ」
「って何でそんなに警戒しているんだ?」
レッシィはそんな二人を見て言う。
「戦場にいるより重装備じゃないか」
「そんな格好で暑くないの?」
「そりゃ暑いわよ」
アクアが答えた。見れば顔は汗だらけである。
「けれどね。お肌を痛めることに比べたら」
「こんなのは平気なのよ」
「そうかな」
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